皆様は生活保護制度について詳しくご存知でしょうか。生活保護を受けているご利用者様は介護保険の自己負担分が支給されることくらいはわかってるけど、という方が多いのではないでしょうか。
生活保護は憲法25条の定める『健康で文化的な最低限度の生活』を保障する制度です。
要介護者と生活保護は切っても切れない関係にあります。生活保護世帯全体における高齢者世帯の割合は50%弱と生活保護世帯の半分が高齢世帯になります。
生活保護はデイサービスの運営にとっても切っても切れない関係にあります。私のデイサービスでも5%ほどのご利用者様が生活保護を受給されています。
生活保護の制度について学んでいきましょう。
生活保護の審査条件
生活保護は個人ではなくて世帯単位で支給されます。
世帯の全員が「生活を支えるためにあらゆる努力をしても生活できない」場合に支給されます。あらゆる努力とは具体的に言うと下記のようになります。
- 資産を活用すること
利用できる資産があれば売却や賃貸などで生活費に当てる必要があります。 - 能力を活用すること
働くことが可能な者が居る場合は働くことに努めなければなりません。 - 扶養義務者からの扶養を活用すること
まずは、扶養能力のある家族に出来る限り援助をお願いしなければなりません。
生活保護の支給額
生活保護の審査条件と同様に支給額も地域によって変わってきます。地域によって物価や家賃などが違うのでそれぞれ額が変わってきます。
また、世帯の構成要員によっても変わってきますので、地域の福祉事務所の生活保護担当などに確認してください。
ちなみに高齢者単身世帯で神奈川県横浜市ですと81,840円が支給されます。沖縄県那覇市の場合は67,100円の支給と差が出ています。
受けられる扶助とは
生活保護によって受けられる扶助は生活費だけではありません。下記のような扶助も受けることができます。
医療費は地域の福祉事務所で申請すれば医療券が発行されて医療費は免除されます。
また、介護に関しても介護券が発行されるので免除されます。デイサービスには毎月月末付近に役所の生活保護課などから介護券が送られてくるので、請求情報に追記しましょう。
生活を営む上で生じる費用 | 扶助の種類 | 支給内容 |
---|---|---|
日常生活に必要な費用 (食費・被服費・光熱費等) |
生活扶助 | 基準額は、
|
アパート等の家賃 | 住宅扶助 | 定められた範囲内で実費を支給 |
義務教育を受けるために必要な学用品費 | 教育扶助 | 定められた基準額を支給 |
医療サービスの費用 | 医療扶助 | 費用は直接医療機関へ支払 (本人負担なし) |
介護サービスの費用 | 介護扶助 | 費用は直接介護事業者へ支払 (本人負担なし) |
出産費用 | 出産扶助 | 定められた範囲内で実費を支給 |
就労に必要な技能の修得等にかかる費用 | 生業扶助 | 定められた範囲内で実費を支給 |
葬祭費用 | 葬祭扶助 | 定められた範囲内で実費を支給 |
生活保護の申請方法
生活保護を受けるにはまず地域の福祉事務所に相談します。
その後、生活保護申請書を提出します。
申請書を受けて担当者が家庭訪問を行います。担当者には調査権が与えられ、銀行口座の残高や扶養義務者の調査などを行います。
申請書を提出してから14日以内に決定がされます。
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