一度やめてしまったご利用者様が戻ってくることはないと思いこんではいませんか?
デイサービスを休止してしまうご利用者様には様々な理由がありますが、そのどれもに必ず原因があり、その原因を排除すれば戻って来てくれる可能性があります。
それがもし些細な理由であれば、新規でご利用者様を獲得することよりも簡単に売上を上げることが可能になります。
今回は私のデイサービスで一度辞めてしまったご利用者様が戻ってきてくれたケースを例にどうしたら辞めてしまったご利用者様が戻って来やすい環境を作れるかを考えて見たいと思います。
頑固者のご利用者様
基本的に高齢者は良く言えば義理堅いのですが、その反面頑固なところがあります。
また、江戸っ子気質というか考えるより先に口が出てしまう方も非常に多いです。
あるご利用者様、Aさんのお話です。Aさんもご多分に漏れず上記のような気性をお持ちでした。
Aさんはとてもプライドが高く職員に対して無理を言う方でした。ある日ある職員と揉めてしまって売り言葉に買い言葉で「もうこんなデイサービスは止めてやる」と言って帰ってしまいました。
それを聞いた私はAさんのお宅をすぐに訪問して慰留したのですが、「言ってしまったことは後悔しているが、一度言った以上戻るわけにはいかない」と頑なに誇示されました。
Aさんは結局中止になり他のデイサービスに通うことになってしまったのですが、私はその後も何度かAさんのお宅に通って「私の携帯電話の番号を教えるから何かあったら電話してね。僕はAさんの味方だからね」と連絡先を渡していました。
私には勝算がありました。江戸っ子気質のAさんはすぐには戻れないでしょうが、時が経ちお互いわだかまりも忘れたころになれば戻ってくるのではないかと。
案の定、Aさんは3ヶ月位経った後に私に電話してきました。「デイサービスに戻りたいんだけどいい?」
私はしめたと思い、ケアマネに連絡をしてすぐに復帰させました。
その方に後日聞いたのですが、やめてからすぐに戻ってきたいと思っていたそうです。
ただ、すぐに戻るのは申し訳ないからなどと思いためらっていたそうです。また、事業所に電話しても誰が出るかわからないし、ケアマネに言うと怒られんじゃないかと心配したそうです。
おそらく、私への直通電話がなかったらいつまでも連絡をしてくることはなかったでしょう。
辞めた後戻って来れる環境
このように、やめていくご利用者様も施設の全てに不満を持って出ていくわけではありません。仮に全てに嫌気が差してやめていくのであれば、これはどうあがいても無理だとというようなやめ方をしていくでしょう。
高齢者でも隣の芝は青く見えるものです。ただ、隣に芝生に行ってみると元いた芝が青く見えるのです。
ですから私の事業所では特に仲の良かった職員が連絡を取れる状況を作ります。誰にも言わないから私だけは連絡をとっても大丈夫だよと付け加えるだけで、戻ってくる可能性が跳ね上がるでしょう。
また、たまにはこちら側から連絡を取ってみるのもいいかもしれません。
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