デイサービスの入浴業務はご利用者様の清潔保持や癒やしを与える場であるとともに、皮膚の状態を確認する重要な業務も含んでいます。
着脱時や洗体時に体の隅々を確認しながら下記のような症状が出ていないか注意して入浴業務を進めていきましょう。
白癬
白癬とは白癬菌と言うカビの一種が皮膚に付着して発育している状態を言います。最も多いのが足に付着する白癬で俗に言う水虫のことです。他にも顔や頭、股間などでも発育します。
基本的には足の状態を見ることで早期発見につながります。下記のような症状が出るので疑わしい場合はすぐに皮膚科に受診を促しましょう。
足白癬(水虫)の症状
- 指の間の皮膚が剥がれる
- 足裏の皮膚が分厚く固くなる
- 水ぶくれができる
- 爪の先が厚くなったり変色したりする
疥癬
疥癬とはヒゼンダニの感染によって発症される疾患です。ヒゼンダニは皮膚の角質層に穴を掘って卵を産み付ける事によって
症状によって通常疥癬と角化型疥癬に分けられ、通常型だとかゆみを伴った丘疹(小さな赤みのふくれ)が全身にできます。角化型疥癬は高齢者など免疫が低いとヒゼンダニが数百万匹単位で増殖し、皮膚を角質化させ灰色に変色させます。
早期発見
初期症状として疥癬トンネルが指の間や手首などによく出ます。男性の場合は陰部に出ることもあります。強いかゆみを伴う発疹があった場合は疥癬の可能性が高いので受診を勧めましょう。
転倒などによる傷
転倒などによるあざや傷がないかのも確認も必要です。ご利用者様が忘れてしまっている場合もありますし、大したことないだろうと高を括っていることもあるので注意しましょう。
また、掻き傷等がある場合もあるので全身をチェックします。
発疹や発赤
疥癬のチェックと同様に発疹や発赤が全身にないかもチェックします。皮膚のたるみの下のあせもなどにも注意します。
皮膚トラブルには皮膚に盛り上がりが見られるもの、皮膚の色が変わるもの、一過性のもの慢性的なもの様々な症状が見られます。注意深く観察し少しの変化も見逃さないようにしましょう。
褥瘡
褥瘡とは体の一部が圧迫され続けることにより、酸素や栄養が行き渡らず皮膚が開始してしまう状態のことを言います。ひどくなると骨まで達してしまうケースもあり、感染症に罹患して死に至ることもあります。
要介護者は寝返りを打つことが出来なかったり、座っていても常に同じ姿勢でいる場合が多いためとても多い症状です。
褥瘡ができやすい部分は決まっていますので、入浴の際にはそういった部分を重点的に確認していきます。
褥瘡が出やすい体の部位
臀部(仙骨、骨盤)・肘関節・肩甲骨・かかと
皮膚トラブルはわかりづらい
このように高齢者は様々な皮膚トラブルに見舞われる可能性があります。
そして発疹などの皮膚の状態は我々介護職が見ても違いがわかりにくいなど判断が難しいことが多いです。
また、感染の可能性のあるものも多いので、基本的に発疹などの症状が確認されたらすぐにケアマネジャーやご家族に相談して受診をお願いするのがベストだと思います。
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