もしこの記事を見ている方がすでにデイサービスを経営しているのであれば、出店地を選ぶ際にはどのような基準で選んだでしょうか。
ご自身の勝手知ったる土地であったり、自分の働いていた介護施設の近くなどという基準で選ばれている方もいらっしゃるかもしれません。
また、店舗経営になれられている方などはしっかりと商圏調査などを行った上で出店地を選ばれているでしょうか。
いずれにしろ一度出店すると簡単に別の場所に移すというわけにも行きませんから、じっくり吟味された方がいいでしょう。
さて、デイサービスの開業を考えるにあたって、都心部に出したほうが良いのか地方に出した方がいいのかという議論があります。
今回の記事では、都心への出店と地方への出店の違いを見て行きたいと思います。
地域区分
地域区分とは出店地域ごとに介護報酬に加算される数値で東京23区の10.9~10.0までと10%近い差ができることになります。
地域区分を含めた介護報酬の計算の仕方はこちらに詳しく書いているので参考にしてみてください。
地域区分が10%違うということは売上が10%違うということとほぼイコールです。
賃貸料や人件費などを比較して出店地を考えてみてください。
土地(賃貸料)の値段
都心部と地方での出店に最も差が出るのが土地の値段です。
購入するにしても賃貸するにしても大分金額が変わってきます。
東京の都心部だと100㎡(小規模デイサービスレベル)ほどの賃貸料は40万円ほどかかる場所もあります。
地方であればその大きさなら10万円を切るような物件もたくさんあることでしょう。
土地を購入することを考えても都心部で1億円を超えるような地域もあります。
土地の値段が上がればよいのですが、この地合ですからそうとも限りらずリスクが高すぎます。
ただ、適応物件の有無に関しては都心の方が多く見つかることでしょう。
地方だとなかなか適当な物件が見つからないという可能性がありますので自ら立ててしまった方が良いかもしれません。
また、同様に人件費に関しても同様に都心の方が高くなる傾向があります。
送迎範囲
都心と地方では人口密度が違いますので送迎範囲も変わってきます。
都心部の小規模デイサービスであれば片道3~5km程度の範囲で十分ご利用者様を確保できるでしょうが、地方だと10km程度の送迎範囲を設定しなければなりません。
道の混み具合が違うので時間に直すとそれほどさはできないかもしれませんが、送迎車の大きさなども考えなければなりません。
都心であれば軽自動車やセダンが適当かもしれませんし地方であればワゴン車やワンボックスカーが必要になります。
流行りの移り変わり
私の感覚だと地方では都心部に流行ったデイサービスが3年位遅れて導入される傾向があると思っています。
都心では競合店も多いので競争力を保つために試行錯誤しながらいろいろな特徴のあるデイサービスが生まれています。
その中で成功したスタイルが徐々に地方に伝染しているからです。
都心部でお泊りデイサービスが流行りを見せてから数年で地方へ普及していきました。
2010年頃から都心ではリハビリ特化型のデイサービスが流行り始めました。
2012年ごろから地方でもリハビリ特化型のデイサービスが出来始め、リハビリ特化型デイサービスのフランチャイズ本部ができ、大々的に勧誘を行ったせいか2017年現在では沢山のリハビリ特化型デイサービスが地方にも出店されています。
高齢者の特性
また、都心の方が競争が激しいですが、良いデイサービスであれば移って見ようという高齢者の方が多いように感じます。
その反対で地方であると競争は激しくはないですが、一度通い始めた高齢者はなかなか他のデイサービスに移ろうという方が少ないように感じます。
基本的に高齢者は保守的な方が多いですが、より地方の方がその傾向が強いように思います。
そういう意味では新たな試みをするなら都心で出店するほうがいいのかもしれません。
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