2012年の4月に最初の店舗『日帰り温泉型デイサービスはつね江戸川』をオープンした当初、私は墨田区の曳舟で『あれぐりあ東向島』と言うデイサービスの雇われ管理者と『はつね江戸川』二足のわらじを履きながら経営をしていました。
『あれぐりあ東向島』は東京都墨田区を所在地に7~9時間のご利用者様を対象に食事、入浴、機能訓練を行っている一般的なデイサービスでした。
大赤字を出していたのを私が管理者として若干の黒字を出すにまで回復させていました。
一方『はつね江戸川』は順調に売上を伸ばしていき、1年も経つと安定的に利益を上がるようになっており、資金的にも次の展開を考えることができる余裕が生まれていました。
買収の提案
そんなときに『あれぐりあ東向島』を運営する株式会社イリスケアーからデイサービスを買い取らないかという打診をいただきました。
私はこのイリスケアーの社員として『あれぐりあ東向島』の管理者をやっていたのです。
株式会社イリスケアーは私の父親が創業、役員を務める会社です。『あれぐりあ東向島』は若干の利益を出していましたが、会社としては『はつね江戸川』の成功を見て私に売り払って任せたほうが良いと考えたのでしょう。
会社からの条件は下記のとおりであり、私にとっても悪い話ではないように思えましたが、今まで会社の傘のもとに運営をしてきたわけで不安もありました。
- あれぐりあ東向島の経営権を無償で譲り渡す
- 会社は入浴専門のデイサービスとして改装する費用として600万円を支払う
- 私や従業員の給与や家賃を改装が終わるまで(3ヶ月後まで)面倒を見る
- 機械式浴槽のリースは会社が引き継ぐ
- 車のリースは新会社が引き継ぐ
買い取りの決意
会社からの改装費の工面があったため資金面の心配はありませんでしたが、私はなかなか決心することが出来ませんでした。
そんな私が『あれぐりあ東向島』の買収を決心できたのはは全ての従業員の協力が得られる確信が持てたことからでした。
私は買収の話が来た翌週には従業員を全員集め、会議を開きました。経営会社が変わってもついてきてくれるかを確かめるためです。
まずは私の決心の強さを示すために、買い取っても従業員の雇用条件は変わらず継続することを約束しました。
また、はつねの理念を話し、『はつね江戸川』がうまく行っている事を伝え、必ず成功させると力説しました。
思いのほか、経営会社が変わることに抵抗はないようでした。パート従業員にとっては資本の多寡などはそれほど関心がないのかもしれません。
彼女たちの関心は、自分たちの働きやすい環境が担保されるか、であって私が管理者を続けることでそれが満たされることが重要なのでした。
デイサービスの経営をしていてわかったことなのですが、新しく開業するに当たって最も難しいのは良質な従業員を確保することでそれまで共に働いてきた優秀な従業員がついてきてくれるということはとても心強いものでした。
買収の打診を頂いて2週間後にはイリスケアーの社長に決意を伝え、買収が決まりました。
かくして私はそこそこの給料をもらっていたサラリーマンをやめ、完全にデイサービス経営者として独立することになったのでした。
内装のリフォーム工事からリニューアルオープンまでは次に続きます。
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