コンサルティングに関わる私のデイサービスの経営に関する考え方の第2弾です。
今回は職員の働く環境に対する考え方です。
介護職員は今や最も求人の集まらない職種となってしまいました。
汚い、きつい、危険の3Kなどとよく揶揄されますが、私はそれ以外に人間関係によるものが大きいと考えています。
介護現場で職員が辞める際に、『腰を悪くしたから』などと言う理由をよく聞きますが、よくよく聞いてみると人間関係のこじれが原因であったりすることがあります。
この人間関係のこじれの場合、金銭の問題や業務な言いようの問題の場合と比べると留意することが困難なことが多いです。
ここからは給料の増加以外で私が職員に働きやすい環境を提供するための考え方を述べていきたいと思います。
職員の介護レベル=施設の利用価値
デイサービスに限らず介護事業は職員とご利用者様との交わりが多く、職員の介護レベルがサービスの質につながります。
つまりご利用者様にとって、あなたのデイサービスを選ぶ利用価値=対応する職員に対する満足度、と言っても過言ではありません。
私もそのことにすぐに気づいていたので、どうやったら最も職員が働きやすい、力を発揮したいと思うデイサービスにできるかを常に考えていました。それがもっとも安価で済むサービスの付加価値を上げる方法だからです。
何よりも(ご利用者様より)も職員を大切に
経営者であればも何よりも(ご利用者様よりも)職員を大切にするという姿勢を見せることはとても重要です。
別にどちらかを選ばなければならないような状況が必ず来るわけではありませんが、私はそういう基準で物事を選択しています。
例えば、ご利用者様からクレームが有った場合でも必ず職員の言い分を第一に聞いて、それを信じた上で行動します。
職員に否がある場合でも守るためにどういう対処をするべきかを考えてください。
もちろん反省も促す必要はありますが、高齢者のわがままに耐えながらよくやっている職員がとても多い用に感じています。
そんな中で少しやな思いをさせてしまうことくらい、仕方のないことだと私は思います。
そのために経営者や管理者が責任を取る必要があればそうしてください。そういった姿勢を職員は必ず見ています。
上に立つ者ほど謙虚な姿勢で
デイサービスにはいくつかの役職や肩書があります。
肩書があるとそれにかこつけて高圧的に指導を行ったり、パワハラレベルの行為を行ったりする人もいます。これは驚いたもので、こんな謙虚な人が急に威張り始めるのかということがよく起こります。
こんなことが日常で行われているデイサービスは雰囲気が悪くなり、職員同士が怒りや恐怖の中で業務を行うことになります。
そんな環境で最高のパフォーマンスを出せるわけがありません。
ですから、私の施設では管理者や生活相談員などのマネジメントを行う地位にあるものほど謙虚な姿勢を取るように指導しています。
具体的には管理者は職員に対して必ず敬語を使うようにさせています。
そして、指導や注意などを与えいる際は指導や注意ではなくお願いをして態度を改めてもらう。という姿勢で臨んでもらうようにしています。
強い口調で厳し指摘を受けてしまうと逃げ場がなくなり反省どころではなくなる可能性があります。
穏やかにきっちりと間違った点を指摘してあげることが上に立つものとして必要な力だと思います。
過ごしやすい設備
職員にとって過ごしやすい設備を揃えることで職員の満足度が高くなり、職員が定着しやすくなります。
特に女子が多い業界ですので、長い時間を過ごすならきれいでおしゃれな環境を選ぶのが道理です。
私が温泉旅館や和モダンをイメージして施設を作っているのはそういった女性職員を呼び込みたいからです。
もし、これからデイサービスを始めようとしているのであれば、利用者に選ばれることも大事ですが、女性職員に選ばれるような内装や家具を揃えてみてはいかがでしょうか。
他にも、例えば職員にWifiを開放したり、携帯電話の充電器を用意してあげたりすると満足度がとても上がります。
また、休憩しやすくするために簡易ベッドを用意したり、一人になれるスペースを作ってあげるととてもリラックスして休憩を取ることが出来ます。
たまには職員とお酒を飲みにでも
報酬と言って現金を渡すわけではありません。
たまにお土産を買ってきてあげたり、飲みに連れて行ってあげることで職員の満足度が上がります。
ただ、家庭の事情や考え方が違う方もいらっしゃいますから、無理に飲みに連れていく必要はありません。
また、飲み会の場では無礼講で楽しく飲むことを目的にします。
仕事の話を長々としてしまうと必ず不満の話になってしまいますので、仕事以外の話がメインになるように工夫してください。
何か様子がおかしかったり、不満をためてそうな職員を見つけたら個人的にお酒でも飲みに誘って見るのもいいかもしれません。
大勢の前で話しにくいことや施設に対する想いを聞くことができるかもしれません。