ブランドという言葉を聞くと、洋服やカバンの高級メーカーやその商品を思い浮かべるでしょうか。
ブランドとは自社の商品やサービスを他社と区別させるためにつけられた名前やマーク、デザインなどの事を言い、会社単位でのブランドもあれば商品単位でブランドが使用されることがあります。
ブランドを浸透させることができれば購入者や利用者に対して、出処や品質に対する安心感や利用することの優越感を与えることが可能です。
一度ブランドのファンになった消費者は比較的長い間顧客であることが多く、ライフタイムバリューを高くすることが可能です。
※ライフタイムバリュー:顧客生涯価値(ご利用者様がやめるまでに得られる売上の総和)
さて、介護施設にも大競争時代の波が押し寄せている今、勝ち残るためにはブランドの確立によって、ケアマネやご利用者様から選ばれなければなりません。
また、ブランドを確立しておくことで多店舗展開やフランチャイズ展開などの布石を打つことも可能になります。
今回はそんなブランドの確立、ブランディングについてお話していきます。
介護施設のブランディング
介護施設におけるブランドの基本は事業所名とロゴマークです。
名前とロゴを見たら、どんなサービスを受けられるのか、サービスの特徴がわかるようなものを設定しましょう。
その他にも下記に関してもブランドとして認知されますので、サービスの特徴に結びつくような統一感をもたせたほうがいいです。
- 事業所名
- ロゴマーク
- 内外装
- 介護職員の接客
- 広告戦略
ブランドを認知するのは主にケアマネです。もちろん要介護者やその家族も意識する必要がありますが、要介護者は数ある施設からブランドを意識してデイサービスを選ぶわけではありません。
とにかくケアマネを意識してブランドを確立する必要があります。
事業所の名前やロゴを見たら安心してご利用者様を紹介してくださるようにするのがブランド戦略の目的です。
ブランド確立の基本
ブランド確立の基本はまず覚えてもらうことです。
事業所名やロゴマーク、そしてそれに関連した事業所の特徴を覚えてもらわなければ意味がありません。
ですから、店舗の名称を高齢者に馴染みのあり覚えやすい名前にしたり、サービスの特徴に関しても一言で言い表せることが可能なキャッチーなものにするべきです。
また、店舗の内外装などもブランドの構成要素として統一感をもたせることができると尚良いです。
ちなみに「日帰り温泉型デイサービスはつね」に関しても、温泉というキャッチーなフレーズを使い、はつねという名前も源氏物語から頂いたもので音的に覚えやすいものになっています。
また、ロゴマークも2色で丸窓にウグイスがとまっているもので、温泉旅館をイメージするように作っています。
ブランドを意識した人材教育
ブランドの確立を考えた時に見落としがちなのが人材です。
サービス業は人で決まるという言われ方をしますが、デイサービスもまさにこれに当てはまる事業で、ご利用者様にとって最も長い時間対応してくれる職員がその施設のイメージになるということがあります。
ですから、人材教育もブランド確立を意識して行う必要があります。
このお店に来ていればどの職員に対応してもらっても満足の行くサービスを受けられる。
というのが接客のブランド化です。
決して全ての職員が同じ接客をしろというわけではありませんが、ご利用者様にどのような気分になってもらいたいのかと統一の目標を持っていたほうがいいかもしれません。
人材教育に有効なのが入社時のマニュアルと業務後のミーティングです。
入社時のマニュアルは職員の接客レベルを同様にするためにとても有効です。
マニュアルを参照しながら、OJTなどを行って基本業務を覚えてもらいましょう。細かい作業まで作り込めると後々楽です。
ミーティングは一日あったことや感じたことを職員間で共有したり議論することによって接客の目指すべき方向が統一化されていきます。