ご質問
当事業所は、福岡県にある地域密着型小規模通所介護施設です。
以前ご利用されていた方が転倒し入院されました。
途中集中治療室に入れられるなど体調は悪化していきホスピスに入所、ターミナルケアとなりました。
その後退院となりデイサービスに復帰されました。
復帰後に咀嚼、嚥下状態が改善して経口摂取ができ現在では常食で全量召し上がられています。
短距離なら両手引き歩行され、ADLが改善されています。今回、週一回で時間短縮で利用をされるようになりました。
現在はパーキンソン病の疑いがあるとのことで、薬を服薬されています。
訪問のドクターからは、血圧の低下に注意すること以外、特に危惧することはないと言われました。
長くなりましたが、ここからが教えていただきたい点です。
体調不良時や意識低下、心肺停止の際の対応です。
事前カンファレンスでは、緊急時はホスピス宛に電話をしてデイサービスの送迎車でホスピスに搬送、ホスピス側は電話をもらった時点でドクターに連絡ということに話になっています。
キーパーソンの次女様は延命を望まないとのことですが、心肺停止の場合の対応がどうしていいのかがわかりません。
また、そのような状態で送迎車に乗せ、搬送していいのかも現時点ではわかりません。
デイサービスの利用に関して、緊急時に救急搬送が必須だと思っていましたので・・・。
実際、次女様やホスピス、ドクター側の対応でいいのか、救急搬送をしなければいけないのか教えていただければ幸いです。
長くなりましたが宜しくお願います。
答え
お問い合わせありがとうございます。
デイサービス経営研究所の坂元です。
さて、ご質問の内容の緊急時の対応についてですが、私も何度か経験したことがあります。
ご利用者様やご家族、時にはケアマネから緊急時の取り扱いについて、救急車を呼ばずに別の注文がつけられることがあります。
しかし、それは極力断るべきです。デイサービスとしては緊急搬送が鉄則です。
ご利用者様の緊急時の対応におけるリスクは大きく分けて下記の2つです。
①責任問題に発展してしまう可能性がある
②職員が生死に関わる判断や行動を行うことになり、心理的負担を強いることになる。
特に責任問題は事業所の存続に関わるような問題に発展する可能性もあります。
本人やキーパーソンが許可をしたとしてもそれ以外の家族や親族がクレームを入れてくる可能性もあります。
また、現場の職員は想像以上にストレスを抱えながら業務をこなしています。無駄に負担をかけることは適当とは言えません。
お断りの仕方は「行政に確認したところ否定されてしまった」というような感じで良いのではないでしょうか。
もし、どうしてもホスピスやケアマネとの関係を悪くしたくないなどの理由がある場合は、次女様に一筆書いてもらう方法もあるかも知れませんがおすすめはしません。