目次
フランチャイズとは
そもそもフランチャイズと言う仕組みをご存知でない方ように基礎についてお話させてください。
フランチャイズとは本部(フランチャイザー)が加盟店(フランチャイジー)に対して経営のノウハウや製品を提供して加盟店が利益を得ることを目的とした契約関係の事を言います。
多くのフランチャイズは店舗経営の指導を行っており、本部が開発した看板や店舗の内外装、商品やサービスなど店舗経営に必要な全てを提供している。
その他にも本部はブランド価値の向上や新商品の開発などを行う。
一方加盟店はその対価として本部に対して加盟金とロイヤリティと呼ばれる費用を本部に支払っている。
加盟金の相場はそれぞれの本部によって違う。相場は開業資金の1割から2割程度が多い。
ロイヤリティは毎月支払われる費用で、基本的に売上や利益の○%などと連動しているケースが多い。
利益に対するロイヤリティであれば良いが、売上に対するロイヤリティだと赤字でも支払わなければならない事になり、開業当初は厳しい経営が予想される。
フランチャイズのメリット
①ノウハウが無くても開業可能
フランチャイズの良さはなんと言っても、業界について何も知らなくても開業可能なことです。
店舗ビジネスを行ったことがなくても、本部の培ったノウハウを利用することで開業が可能になります。
基本的なことはマニュアル化されており、スーパーバイザーと呼ばれる指導員が経営をサポートもしてくれます。
②スピードの速さ
第②のメリットは、開業から安定的経営までのスピード感です。通常、法人を作って、不動産を探して、店舗を建てて、商品を開発して・・・などとやっていたら数年かかるところを、本部のノウハウで最短期日で開業することが可能です。
③本部のブランドを利用できる
普通お店を出しても、初見の客はなかなか入ってくれはしません。それをフランチャイズの名前があれば安心して初めてのお店でも入ってもらえるわけです。
同じ看板を背負っていると、同等のサービスを受けることや同等の商品を手にすることができるという安心感を与えているのです。
フランチャイズのデメリット
①加盟金とロイヤリティ
加盟金とロイヤリティは安いものではありません。
加盟金やロイヤリティの支払いがきつくて倒産する例もあります。契約前にしっかりと利益が確保できることを確認しなければなりません。
②融通がきかない
フランチャイズはいろいろな面で融通が効かないことが多いです。
フランチャイズの良いところは画一的なサービスの提供です。その一方、店舗独自のサービスや商品を出そうにも本部が許さなかったり、閉店時間にまで縛られることがあります。
また、契約終了後には同業の店舗の出店を禁じる契約を結ばされることもあります。
デイサービスフランチャイズの比較(当研究所調べ)
ここでは、現在募集されているデイサービスのフランチャイズについてまとめてみました。
広告やネットで出されている数値ですので、実際の数値とは異なる可能性があります。最後は当研究所が運営する『日帰り温泉型デイサービスはつね』加盟金とロイヤリティです。
加盟金 | ロイヤリティ | 必要資金 | その他費用 | |
R社 | 300万円 | 17万円 | 1,500万円 | |
D社 | 280万円 | 13万円 | 1,000万円 | リハビリツ器具の購入 |
S社 | 350万円 | 売上の5% | 1,000万円 | システム資料等 |
N社 | 500万円 | 売上の5% | 3000万円 | 本部備品強制 |
はつね | 300万円 | 5万円(売上50万まで0円) | 1900万円 | なし |
フランチャイズ本部の選び方
加盟料やロイヤリティ
本部を選ぶ際に加盟料はそれほど重要ではないと思っています。
しっかりと利益が出るのであればすぐにもとが取れるからです。
それに上記を見ても本部ごとにそれほどの差はありません。
ただ、加盟料とは別に払わなければいけない費用がある場合がありますので確認しておきましょう。
システム利用料や備品の購入などがそれに当たります。
ロイヤリティに関してはそこそこ差が出ると思っています。
特に開業当初は売上もあがらないですし、介護報酬が入るのは2ヶ月後です。
最初から15万を超えるロイヤリティを払うのは厳しいかもしれませんので売上に連動するタイプのほうが良い気がします。
コンセプト
フランチャイズの本部を選ぶ際に最も注目すべきなのがサービスのコンセプトです。
コンセプトは今後何十年も求められ選ばれ続けるものである必要があります。
特に介護保険事業は高齢者を扱いますし、国が制度を決めていく特殊な事業です。
下記のような項目がはっきりと設定されているか、確認しておきましょう。
- ターゲットの介護度
- ターゲットの性別や年齢、病歴
- 利用時間
- 取得する加算
- ハード面(内装や設備、機械など)の工夫
- ソフト面(理念や人員配置など)の工夫
そして、そのコンセプトに対する需要が市場にどの程度いるのか、同様なコンセプトを持った店舗がどのくらいあるのか調査しておく必要があります。
事業計画(売上や費用)の確認
コンセプトが理解できたら、本部が出している数字が現実的な数値なのかを調査しましょう。
特に売上に関してはターゲットの平均介護度が設定できれば詳細な金額を出すことが出来ます。
※需要がございましたら当研究所で試算いたしますのでご依頼ください。
想定している稼働率も確認する必要があります。
デイサービスは体調不良などのキャンセルが必ず出てしまいますので、基本的に90%以上の稼働率を達成するのはかなり難しいです。
80%程度を想定して売上の試算を出すほうが良いでしょう。
費用に関してはなれていないと予想することはかなり難しいです。
できるのであれば本部に費用の詳細を確認しましょう。
本部の対応(担当者のレベル)
本部は玉石混交で、入ったもののほとんど支援を行ってくれないような不誠実な本部もあると聞きます。
フランチャイズ本部を選ぶときはまず最初に本部の主催するセミナーに参加してみましょう。
できれば代表者やフランチャイズ部門のトップがセミナーを行う本部を選びます。
トップの人柄や情熱、介護業界の知識や先見性を確認しましょう。
いいことばかり言っているところはあまり信用できません。
リスクやデメリットをしっかり把握している本部のほうが信用がおけます。
また、指導をしてくれる担当者(SVなどと呼ばれます)が現場を知らない人物であったり、指導力が足りないことがとても多いと聞きます。
地域ごとに担当者がいたりしますので、どのような人物なのか確認しておきましょう。
ちなみに『日帰り温泉型デイサービスはつね』では、全店の開業を行った坂元悠紀または管理者経験者しか指導を行いません。
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