今回のコンサルティング実績に関してですが、昨年の5月から月極契約を結ばせていただいている案件です。
契約期間はまだ続いていますので、詳細は伏せながら時系列で私がどんなコンサルティングを行っているかを記載していきます。
今回は2020年4月現在の進捗までです。
依頼の内容
関東近郊に拠点をもつエネルギー関連事業の大手企業です。
売上規模も従業員数も業界トップレベルです。
創業者がご子息に経営を譲ることもあり、地域に根ざした事業で社会に貢献したいとのことで介護事業を始めることになりました。
その中でデイサービスは介護事業を知る切っ掛けとして最適との考えられたようです。
当ブログを御覧いただき、入浴専門のデイサービスに教務があるとのことで最初はフランチャイズ契約を考えていましたが、予算が大きくあることから大規模デイサービス開業の入浴サービスの計画、全体の管理を行うアドバイザー契約となりました。
※『日帰り温泉型デイサービスはつね』は小規模デイサービスのパッケージです。
予算(収支計画)作成
コンサル契約直後から収支計画の策定に入りました。
大きなプロジェクトを動かすにはまずは予算の獲得が必要になります。
収支計画には開業日、開業地、定員数、平均介護度、利用時間、取得加算、職員の採用数、給与、福利厚生、車種、リハビリマシン、デイ以外の付帯事業などなど様々な前提を決めた上で土台を作成します。
当然、開業までの間に各種条件が刻々と変わっていきますので、それに対応できるような計画書が必要になります。
これがなんと言っても大変な作業です。私も収支計画を作ること十数回、だいぶ修練された使いやすいものができてきました。
手前味噌ですが、私が作る計画書ではエクセルを使い、各種パラメーターをいじることで想定の収益や費用がすぐに分かるようになっています。
結果的に1億円を超えるようなデイサービスでは破格の計画となりました。
役員会用資料作成
予算ができれば、次は然るべき意思決定機関に予算を通さねばなりません。
そのための資料作りを行いますが、介護事業が初めての方が多くいらっしゃる中わかりやすい資料を作ることに神経を使いました。
パワーポイント2016を初めて使いましたが、smartartの使い勝手がよくなっていて助かりました。
業界動向の教育
さて、予算を通したあとは関わる社員に介護の基本を指導していきました。
基本的な下記の内容は最初に座学を行い、応用は開業作業の中で随時説明しています。
- 介護保険の成り立ち
- 介護保険制度①(財政・責任官庁)
- 介護保険事業の種類とサービス内容
- 介護保険制度②(要介護者が介護保険サービスを使いまで)
- 介護職の基礎(資格制度、平均給与、採用状況など)
- デイサービス基礎(成り立ちから流行りのデイサービス)
- 指定申請の手順
- 不動産探しのポイント
コンセプト設定
当デイサービスがどの部分で他のデイサービスとの競争力をつけるのかを考える根幹の部分です。
今回のプロジェクトではハード面・サービス(入浴)・サービス(リハビリ)と3つのコンサルが入り各分野のトッププレイヤーが得意分野を持ち寄り、一つのコンセプトに集約させるという難しい作業をしています。
コンセプトは全社員共通の目標とできるようにわかりやすく短い言葉で表わせなければなりません。
そして今回の案件は潤沢な予算を武器に国内最高レベルのデイサービスへのチャレンジになるのでそれなりの言葉を使ってイメージを作らなければなりません。
コンセプト【強み】を決める上でのポイント
- 目新しさ(利用者ケアマネに需要があるか)
- 機能性(サービスのオペレーションが可能か)
- 費用(予算内で実現可能か)
- 収益性(特徴が加算につながるか)
当然、お金をかけて良いものを作れば競争力は増します。
介護サービスは良いものを作っても、勝手に値上げができません。
どうせお金を掛けるなら加算につながる良いものを導入しなければなりません。
それが競争力につながれば一石二鳥です。
コンセプト設定はとても重要な作業です。
ゴールの方向性が見えずにスタートは切れません。
今回は多くの時間をかけてコンセプトを作ることができましたので、満足のいくものができそうです。
設計図面(設備)作成
コンセプトが決まれば、どのような間取りが必要で、どのような設備をどこに置くかが見えてきます。
今回の案件は詳細設計や外観などはデザイナーチームが行いますので、オペレーション常に必要な設備について図面にまとめました。
定員数とどのような入浴スタイルなのかで、浴場に必要な広さや脱衣所の広さなどは簡単に割り出せます。当然それ以上に広くすることで上質感を出すことにつなげることも可能です。
トイレに位置や事務所の位置など、デイサービス経営をしていない人が作ると非効率になりがちですね、気をつけましょう。
以降次回に続く。
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