家賃については皆さんタブーだと思っていませんか。
家賃交渉と聞くと大家側から値上げを打診されて困ったということばかり思い出しまはしませんか。
しかし、これらの既成概念は捨てなければなりません。
本来、家賃は下がって行かなければならないものなのです。
建物は時が経てば経つほど資産価値は減っていきます。
資産価値が下がっているのですから、家賃は減らして行くべきなのです。
しかし、家賃の値下げ交渉を行っている経営者は少ないです。
私の知っているデイサービスの経営者の方々も値下げ交渉の経験がある方はほとんどいません。
それは不動産の知識がなかったり、自信がなかったりといった理由からです。
私は元々の父親の会社で金融業を手伝っていた時代に不動産の取引に関わった事があり、宅建士の資格や不動産証券化協会認定マスターの資格を取得しています。
こららの知識や経験から家賃の値下げの可能性について書いていきたいと思います。
目次
基本的なスタンスについて
基本的に賃貸に関わる法律は賃借人、つまり借りている方に有利にできています。
賃借人は条件なしに契約を破棄できる一方、賃貸人はよっぽどのことがない限り追い出すことはできません。
また、基本的に建物における不具合はオーナー側に補修を依頼することが出来ます。意外と全て事業者側でやらなければと思ってしまっている経営者が多いように感じます。
契約時に大家負担の補修範囲をを特約で指定されたりすることがありますので契約時には注意しましょう。
たとえ契約書に明記されていたとしても、建物の躯体に関わるもの(柱や壁、天井など)に関しては大家負担にできますのでしっかりと主張しましょう。
家賃交渉がしやすい物件
さて、本題の家賃交渉について記述していきます。
まずは家賃交渉チャンスがある物件の特徴を上げていきます。
築年数が長い物件
築年数が長い場合はそれなりにほころびがでているでしょう。
また、築年数が長いということは大家はすでにローンを支払い終えており、心理的に余裕があるはずです。
相続などで大家が変わった物件
相続が行われた場合、相続人が不動産管理に詳しくない場合があります。こういった場合は値下げ交渉のチャンスです。
まわりの賃貸物件の相場が下がっている物件
物件の家賃はまわりの相場から算出することが多いです。
まわりの物件の家賃が下がっている物件は値下げ交渉できます。
同地域で同じくらいの広さの物件の相場を調べてみましょう。
家賃交渉の方法
家賃交渉は基本的に不動産屋を通して行います。
もし大家と個人的な関係を築けているのであれば大家に直接頼んでもいいです。
いずれにしろ事業がそれほどうまく行っておらず、このままでは立ち行かないと伝えましょう。
最初は値下げ希望額以下の金額を打診してみましょう。
間を取って値下げなんてこともあるかもしれません。
家賃の値下げ以外の交渉
大家が家賃の値下げについて難色を示す場合、他の項目について攻めて見ると効果があることがあります。
更新料の減額
忘れた頃にやってっくるのが契約更新で、更新料は馬鹿になりません。
更新料の減額や更新期間の延長なども交渉の一つになります。
エアコンなどの備品の新調
大家によっては毎月の収入が減るのを極端に嫌う方もいます。
その場合は、エアコンや台所の新調などを依頼してみるのもいいかもしれません。
駐車場
大家が大地主の場合、駐車場経営も行っている可能性があります。
それを無料で開放してくれるかもしれません。
少し遠い場所でも経営者の車の駐車に使えますし、打診してみましょう。
その他の値下げ交渉の方法
私が経営するデイサービスでは浴室の窓が開かなくなるということが何度か続いたことがありました。
毎回大家のお抱えの大工が直しに来ていましたが、大家にとって煩わしい負担となっていました。
私はチャンスだと思い、『家賃を1万円下げてくれたら今後窓の故障は我々で全て補修する』と提案しました。
すると大家は喜んでその提案を受け入れました。
私は5万円ほど払えば窓ごと取り替えることができることを知っていました。結局5ヶ月経てばもとが取れることになります。