投資用のセミナーや起業塾などに通ったことがある方であれば、どの講師や紹介者からも聞く謎の理論があることに気づくはずです。例えば、
「自身の年収は普段から付き合いのある身近な5人の平均年収に収束していく」というような理論を聞いたことがあるでしょうか。
年収や意欲の低い人間と過ごしていると自分自身もその中で安心してしまって、上に上り詰めていく意欲ななくなってしまいます。
ですから、今いる環境を変え収入の高い人たちがいる環境に飛び込み、常にともに時間を過ごし寝食をともにすれば自ずと自分の考え方も高収入な人たちと同じになり、年収も上がっていくという理論です。
また、コンフォートゾーンなんという言葉もよく使われます。
人は居心地のいいところばかりにいることを選ぶ傾向があり、今いるレベルから上へと抜け出そうとすると不安にかられてしまい、なかなか実行できないという理論です。
例えば収入が年1,000万円を続けてきたサラリーマンは年収1,000万円の生活に慣れてしまい、会社から年収700万円を言い渡されると不安にかられて転職を考えたり、仕事を増やしたりと収入を戻そうと考えます。
逆に、年収2,000万円にするとのオファーを受けてもストレスやプレッシャーから辞退してしまうことが多いというのです。
この2つの理論は自己啓発本や動画などでたくさん出回っていますが、私はあまり好きな言葉じゃありません。
高額な塾やセミナーに誘うため
上記の理論はよく高額塾やフランチャイズ契約などのセミナーでよく使われます。
「あなたの周りに私達のような高収入の方はいますか?いないでしょ。」
「では、私の塾に通って私達の仲間になりなさい。」
「私達といればあなたの年収のコンフォートゾーンを上げることができるんです。」
「そうすれば周りは講習な人たちで溢れ、あなたもその域まで上り詰めることができるでしょう。」
講師は必ずこういう結末に持って行きます。
そりゃ、自分のセミナーを売りたいですからね。
さて、この理論が理にかなったものか考えてみましょう。
例えば、あなたが目標とする収入が今の10倍ほどとしましょう。
その10倍の収入のある方々と友達になる方法がありますか?
結局自然に友達になる方法はなく、セミナーや異業種交流会などに出向いて捕まえるんですか?
そもそもそんな人が相手にする理由はなんですか。
間違いなく相手にされない、と言うか接触することせできないでしょう。
唯一友人になれる方法といえば、スポーツや趣味などの集まりで知り合うことができるかもしれません。
趣味の分野では対等または対等以上の人間関係を作ることができるかもしれません。
私は自転車を趣味にしていますが、医者は意外に自転車好きが多く、ある大きな病院のサイクリングチームに混じっていたことがあります。
しかし、そんな中で活動していても私の年収は上がることはなかったですし、収入について話題になることもありませんでした。
結局、質の悪いコンサルタントや高額塾などを主催している方々が、依頼を獲得するために作り上げた理論のように思われます。