2000年から始まった介護保険法は3年に1度の介護給付費額、5年に1度の制度変更が予定されて始まりました。
これは今後社会の変化や財政の変化が見込まれることから取り入れられたルールです。
しかし、介護保険がはじまって15年以上経った今、当初の予想以上に国内の社会保障の環境は変化しそれにともなって介護保険の制度も変わってきました。
特にデイサービスにおいては介護給付費の引き下げや小規模の地域密着型サービスへの移行など大きな変更がありました。
2015年の介護報酬改正では小規模デイサービスでは9%もの報酬が削減されてしまいました。
予防介護から日常生活総合事業への移行も始まっており、軽度の要介護者のご利用ができなくなってしまう可能性も取りだたされています。
法改正の度に我々経営者は振り回され、資金繰りに窮した閉鎖や業態の変更を余儀なくされた事業者もたくさん見てきました。私は社会情勢や他のサービスと比べて利益率が高いのなら介護給付費が削減されるのは仕方ないことだと思っています。
しかし、それは急激に行うべきではありませんし、ある程度の指針を示したうえで制度も給付費額も変えていいいてもらわねば、我々経営者は先を見据えた経営計画を立てることができません。
情報収集と分析
我々のやれることは情報下記のようなを収集して今後の法改正の分析を行います。
・直近の介護保険制度の変更点の分析
・現場の需要
・科学技術の革新
また、現実的に考えてデイサービスにはどんなことが求められているか、どんな事ができるかも積極的に考えてください。
在宅介護はなくならない
デイサービスに限って言えば、私はいくら施設が沢山建ったとしてもお金の問題や自宅への愛着から在宅介護を選ばれる方は減らないと思っています。
また、いくら世の中が便利になっても、ご家族が出かけている間、ご利用者様のお預かりは必要ですし、入浴やリハビリが必要な方が減るわけではありません。
特に入浴に関してはデイサービスに代わるサービスはなかなか定着しないと見ます。手すり付きのお風呂が普及していき訪問ヘルパーによって入浴が可能になる方もいらっしゃるでしょうが、それは少数だと思っています。
総合事業においてボランティアスタッフが入浴介助を行うのは難しいでしょう。
また、浴槽を跨ぐのが不安な介護度の高い要介護者はデイサービスしか行き場がないので、高介護度者のデイサービスの入浴需要は増え続けると考えています。
とくに車椅子が必要なレベルの方を対象とした中重度者ケア体制加算や入浴介助体制強化加算が創設されたことからも、看護師を配置して介護度の高い方が入浴できるような設備を設置する必要があるかもしれません。
そのように実際に現場に需要があるが、制度の変更や(10数年程未来の)科学革新ではどうにもならないことを考えて行けば、必ず事業として成り立つはずです。
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