事故報告書を作成するのはヒヤリハット報告書と同様に、当事者に反省を促すことが目的ではありません。
事故を起こした職員はその時点で反省をしているはずですから。
事故報告書の作成の意味は大きく分けて3つあります。
- 事故の発生原因を分析して、同様の事故に対する予防策を講じるため。
- 事故後の対応が適切であったか検証を行い、事故に対する対応のノウハウをためるため
- 情報を整理してケアマネ、ご家族、行政などに報告をするため
この3つを目的すえて作成すればどのようなプロセスで事故報告書を作成していけばいいか見えてきます。
○報告書の作成が必要な事故とは
サービスの提供による、利用者のケガ又は死亡事故の発生
食中毒、感染症、結核の発生
職員(従業者)の法令違反・不祥事等の発生
○事故報告書の提出先と時期
事故報告書は管轄の役所、ご利用者様とご家族、ケアマネに提出をします。
役所によって担当部署が違いますので、予め確認しておきましょう。
「〇〇区 事故報告書 介護」などと検索すればヒットすると思います。
また、提出する時期は事故後1週間程度以内にできるだけ早く提出します。
緊急を要する場合はまず電話で報告を行い、後に報告書を提出します。
○事故報告書作成の手順
①事故の状況調査
管理者が事故の当事者全員から聞き取りを行って事故時の状況について書き出します。
出来る限り事故から時間を開けずに作成することが大事です。
事故の発生時刻、発生場所、ご利用者様の状況、周りの職員の状況を正確に叙述します。
全体的に時系列で作成していきます。行動だけではなく言動についても詳細に記述します。
事故に関係する可能性のあるもの全てを書き出すようにしましょう。
また、事故後の初期対応についても記述していきます。
例えば、ご利用者様が車に乗る際に転倒させてしまったとします。
この時の様子をヒアリングしてみると
- ・ご利用者様が『一人で乗れるから』と介助を断った。
- ・職員Aは2mほど下がり見守った。
- ・車と道の間に溝があった。
ということがわかりました。
②原因の究明
事故の状況から推察される事故の原因を究明します。
事故の状況から推察される当事者の考えや心の変化も原因になりますので、総合的に分析が必要です。
先程の例の場合、
- ご利用者様のプライドが高く、介助しようとすると怒ってしまう。
- 職員が見守るには遠過ぎた。(苦手意識があって躊躇してしまった)
- 車の停車位置がいつもと違った。
など分析できます。
原因を究明する際は決して個人のせいにしてはいけません。
個人のせいにしては組織としての対策は取れません。
③対策の検討
事故予防の対策について箇条書きで記述します。
対策と対に完了日時や対策が難しい場合の理由を各欄を作っておきます。
例としては
- 管理者がご利用者様へ介助に対する施設として対応を伝える ○年〇月〇日まで
- 車の乗車方法の研修 ○年〇月〇日実施
- 送迎マニュアルの変更(停車位置の徹底) ○年〇月〇日から
対策に関しては「もっと集中して介助する」などの精神論は対策になりません。
お金の問題や物理的に難しい対応策でも記述するべきです。
その際は対策が難しい理由も書き出します。
対応の項目には対応した日付を記載します。
もし提出時にまだ対応できてない場合は対策完了日までのスケジュールを記載します。
④事故報告書の提出
事故後1週間以内に役所、ご利用者ご家族、ケアマネに事故報告書を提出します。
提出時に未対策である項目は対策完了後に改めて事故報告書を提出します。
⑤事故対応の検証
事故報告や対策の実施が終わったら、事故の際の初期対応が適切だったかを検討します。
対応に問題があれば事故対応マニュアルの修正を行ったり、職員への研修を行ったりとこちらについても対策を講じる必要があります。
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