高齢者の数少ない楽しみの一つ、それが食事です。
体調の問題で旅行やお出かけすることもできず、ご家族やお友達ともなかなか合うこともできない高齢者が唯一楽しみにしているのが食事です。
ただ、食事が楽しみでもご自身では調理することもできず、外食にもなかなか行けない方が多いです。
そういった高齢所がどのようなものを食されいているかというと、ヘルパーさんに買ってきてもらったお惣菜や、宅配の介護職弁当が多いです。
たまにヘルパーさんが食事を作ってくれるけど、時間も少ないし大したものを作ってもらえません。
デイサービスでも多くの事業者が昼食を出していると思いますが、あまり個性を感じることがありません。
特に小規模のデイサービスだと手作りで作るのは難しいこともあり、お弁当を出しているところばかりになっています。
最近は高齢者といえど舌のこえた方が増えてきているように思います。
デイサービスの食事は保険外のサービスですので、各事業者で値段や内容を自由に設定することができます。
今後、舌の肥えた公営者が増えてくることを見越して、食材や味付け、レシピなどを工夫してそれを売りにしているデイサービスを見かけるようになってきました。
デイサービスにおいて食事は差別化の対象になると言うことです。
ここではデイサービスで食事を出す際の注意点や工夫について論じていきたいと思います。
行政への届け出
特定の人に対して食事を提供する場合、基本的に行政への届け出や許可は必要ありません。
ただし、ある一定数以上の食事を提供する場合「給食開始届」を提出しなければなりません。
この給食開始届の要件は自治体に寄って違いますので、調べておきましょう。
ちなみに台東区の場合、1回100食以上または1日250食以上の食事を提供する場合給食開始届が必要になります。
食事の作り方
手作り
手作りの食事は温かいできたてのものをお出しできるので、評判がいいです。商材もうまく調達することができれば安く済ませることが可能です。
ただ、その分職員がつきっきりで買物や調理をしなければならず人件費の負担が大きいです。
また、調理する職員の技量によって味が変わってしまいますので、ご利用者様のクレームにつながってしまうことがあります。
お弁当
最近は介護食の宅配業者が増えて来ました。デイサービスでも宅配業者に依頼して食事を提供しているところが増えています。
全般的に塩分や味付けが薄かったり、魚が多かったりという特徴があります。濃い味が好きな方のために調味料を用意しておきましょう。
また、値段やレシピ以外にスープがついているところ、糖尿病職に対応しているところ、お弁当箱を捨てられるところなど業者によって、様々な特徴があるのでまずはご自身で試食して選んで行きましょう。
調理師による食事
食事専用に調理師を雇っているデイサービスもあります。大きなデイサービスの場合、一度に数十食の食事を出していますので採算が合うのでしょうが、小さいデイサービスだと調理師を雇うのは現実的ではないでしょう。
また、最近ではフランス料理の有名なレストランのシェフが作ったり、プロデュースした食事を出しているデイサービスなんかが出てきました。
食事の工夫
自分たちで作る食事
手作りで食事を行っているデイサービスでしたら、ご利用者様に手伝ってもらいながら調理をしてみてはいかがでしょうか。
自分たちで作った料理は美味しく感じるでしょうし、リハビリにもなりので一挙両得です。
女性は特に昔を思い出して喜んで手伝ってくれるでしょう。ADLに合わせて、手伝う作業を決めます。
体を動かすことが難しい場合は焼き加減を見てもらったり、食材の切り方などのアドバイスをもらいましょう。
火や包丁を使わない作業ですとか盛り付けなどを手伝ってもらいましょう。
選択式
利用者が数種類の食事から選択できるデイサービスもあります。
肉食と魚食だけではなくフランス料理などを選べるところもあるようです。
高齢者は好き嫌いも多いので選べる献立はうれしいでしょう。
外食
たまに外食するのもとても喜びます。散歩やドライブのついでの行うこともできるので職員の負担も減ります。
車が止められるようなファミレスなどがいいでしょう。
メニューもたくさんありますし大きめの席も用意されています。
大きなショッピングモールのフードコートなども良いかもしれません。
意外と喜ぶのが若者が好みそうなジャンクフードを試してみることです。
マクドナルドやピザ屋などに連れて行ったとき結構はしゃいで食べていました。
事前にケアマネやご家族に了解を取った上で行わなければ、後々問題になってしまう場合があります。
ケアプランへの導入やかかる金額の問題など綿密に準備した上で外食しましょう。
食事はデイサービスの提供するサービスの中でも比較的簡単に内容を変えることができるものです。デイサービスの売りがなかなか見つからないのであればまずは食事から工夫してみてはいかがでしょうか。
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