高齢者は咀嚼力(噛む力)だけではなく嚥下機能(飲み込む力も)弱くなっています。そのため食材を喉に詰まらせることが多くなってしまいます。
また、食材が肺などの期間に入ってしまう誤嚥を起こすことも多くなります。
誤嚥性肺炎は高齢者の場合死亡率が3割を超えると言われているとておそろしい病気です。
そんな高齢者に食事を出す際の注意点を書いていきましょう。
目次
食材の切り方
咀嚼力がなくなった高齢者は食材を噛み砕くことができず、大きな塊として飲み込んでしまうことによって窒息や誤嚥を起こします。
しかし、全てをミキサー食にしてしまうと食感や味が変わってしまいますし、嚥下能力が更に低下してしまいます。
ご利用者様それぞれの嚥下能力をみて、飲み込みやすいように食材を小さく分けて出してあげます。
刻み食
食材を一律の大きさ(1cmや5mmなど)に切り分ける食べ方です。包丁を使ってみじん切りのように切り刻みます。
硬いものや柔らかいものまで全て刻まれてしまうので飲み込む際にまとめて飲み込めないことがあるので注意が必要です。
ミキサー食
ミキサー食は柔らかめに作られた食事をミキサーにかけます。
刻みの目安はポタージュ状になるまでで、噛まなくてもいいように長めにミキサーにかけます。
更にとろみをつけることも可能です。
ペースト食
ミキサー食と同様にすり潰しますが、水分が少なく歯茎などで噛む必要があります。
ミキサー食よりも短い時間ミキサーに掛けます。食感はあるので味を感じることができます。
流動食
噛む必要のない流動性の食べ物です。
中には食事と同等の栄養が入っています。
流動食には普通流動食と濃厚流動食があります。
普通流動食には重湯、牛乳、投入、果汁などがあります。
濃厚流動食は栄養剤と言われる、病院で処方されるような物があります。
とろみをつけることができます。
とろみ
嚥下機能が落ちてしまっている場合、食材を食堂にうまく誘導できずに器官に入ってしまったり、喉をつまらせたりしてしまいます。
また、水分は飲み込む間にばらばらになりやすい性質を持っているため、器官に入り込み、誤嚥性肺炎などを引き起こします。
そのため、柔らかくした食材や飲み物にとろみをつけて飲み込みやすくする必要があります。
とろみの強さは日本介護職協議会によって、4段階に分けられています。
「飲む」という表現が合うようなとろみから、重度の方の場合ゼリーのように「食べる」という表現が合うような状態まで分けられます。
とろみのつけ方
飲み物や汁物
スプーンですくい上げるように混ぜながらとろみ剤を入れていきます。
必要な分量入れ終わったら数分待って様子を見ます。
その後とろみの状態を確認しましょう。
お味噌汁などにとろみを付ける場合、具を入れる前にとろみをつける必要があります。
流動食・ミキサー食
流動食やミキサー食はどうしてもダマになってしまったり、とろみ剤の分量も多めに必要なのでとろみをつけるのは難しいです。
ミキサー食の場合、ミキサーにかける食材やミキサーにかける度合いでとろみ剤の量が番うのでミキサーを行った後にとろみをつけるようにしましょう。
最近は流動食やミキサー食用のとろみ剤も販売されていますので、そちらを利用すると便利かもしれません。
このようにご利用者様に食事を提供する際にはご利用者様の嚥下状態をよく確認して料理を用意しなければなりません。
【デイサービスの基本業務はこちらから】