介護施設や医療施設においてノロウィルスやO-157など感染情報が度々テレビで取り上げられています。2020年4月現在、コロナ禍の状況において、福岡、富山、広島の施設にて、残念ながら介護施設がクラスターになってしまう、という状況が発生しました。本記事は2018年に執筆したものですが、コロナ禍の現在の状況においても有効な対策となっています。
まさかうちの施設でそんなことはないと、対岸の火事として捉えるのではなく日頃から徹底した予防を行う必要があります。
また、職員間で感染症に対する知識のズレがあってもいけません。
一人でも感染症を軽く見ている職員がいるとそこから病原体が侵入することになります。
必ず感染症予防マニュアルを作成し、普段から研修会を開くなどして注意を喚起していきましょう。
ここでは簡単な感染症予防に関する知識をおさらいしておきます。
※この記事は下記の厚生労働者が公表した対策マニュアルを参考に書いています。
高齢者介護施設における感染対策マニュアル
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/tp0628-1/
目次
感染レベル別感染症
感染症には様々な種類があり、その蔓延速度や症状にもレベルの差があります。
特に①と②は集団感染に繋がる可能性があるので 十二分に注意します。
①職員でも感染が起こり、媒介者となる感染症(集団感染性感染症)
インフルエンザ、ノロウィルス、結核など
②感染抵抗が低下した人に発生する感染症
MRSA感染症、緑膿菌感染症など
③血液や体液を介して感染する感染症
B.C型肝炎、HIVなど
感染源となるもの
感染源となるものには素手で触れないよう扱う場合は手袋を着用にしましょう。触れてしまった場合は速やかに消毒します。
① 嘔吐物・排泄物(便・尿など)
② 血液・体液・分泌物(喀痰・膿みなど)
③ 使用した器具・器材(注射針、ガーゼなど)
④ 上記に触れた手指で取り扱った食品など
感染症の初期症状
感染症の初期症状を覚えておき、該当するご利用者様がいらっしゃった場合は注意し、複数該当する場合は速やかな受診を勧めましょう。
発熱
嘔吐
下痢・腹痛
咽頭痛・鼻水
発疹
食欲不振
頭痛
感染症予防法
①利用者を感染症に罹患させない、拡散させない
利用前に利用者の感染症罹患歴を知っておきます
早期発見のため日々の健康状態〔バイタル〕を把握します
ご家族に感染症についての啓蒙活動を行います
必要ならば予防接種などをすすめます
②職員が感染症に罹患しない、拡散させない
定期的な健康診断を実施します
予防接種を受けさせます
家族の健康管理についても意識すします
③施設内の消毒
施設内の床やご利用者様が手に触れる箇所は次亜塩素酸ナトリウムを含む消毒液で全て消毒します。
次亜塩素酸ナトリウムを含む消毒液に関してはこちら
吐しゃ物や血液の付いたものを処理する際は手袋とマスクを着用の上で次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。
吐しゃ物などを破棄する際はビニール袋に密閉して捨てます。
感染経路の種類と遮断
いざ感染症の患者を出してしまった場合はすぐに拡散するのを防がなければなりません。感染経路を理解し、速やかに対処できるようにしましょう。
①空気感染
結核がこの空気感染です。
咳やくしゃみで飛散した飛沫核は空中に浮遊し続け空気の流れに乗って飛散します。
早急に隔離して入院治療が必要です。
対処する人間は高性能マスクを着用する必要があります。
②飛沫感染
インフルエンザ、おたふく風邪、風疹などが該当します。
咳やくしゃみなどで飛散した粒子で伝播しますが、飛行距離は1mほどと短く浮遊し続けることはありません。
隔離が不可能な場合は他の方と2m以上開けるようにします。
③経口接触感染
ノリウィルスやMRSA、疥癬がこれに当たります。手指や食品、器具などを通して感染します。
特に汚染物(吐しゃ物や排泄物)との接触で環境が汚染され、手指を通して拡散されることがあります。
汚染物を処理する時は必ず手袋やエプロン着用します。
また、ご利用者様に触れるもの(タオルなど)もできるだけ個人用のものとして使用後は消毒します。
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