入浴前にバイタルチェックで異常値を出してしまうご利用者様はとても多いです。
入浴はとても事故が起こりやすいサービスです。
消費者庁や厚生労働省の調査では年間2万人近くの人間が入浴中の事故(溺死や心筋梗塞などの病気)でなくなっているそうです。
消費者庁のレポート
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/160120kouhyou_2.pdf
高齢者の割合は高く、75歳以上の事故率は突出しておりますからデイサービスでもバイタル異常があるのに入浴を許可する訳にはいきません。。
しかし、デイサービスにおいて入浴は重要な業務の一部で、ご利用者様もとても楽しみにされていますので簡単に中止にしてお帰りいただくわけにも行きません。
その為何度も何度もバイタルを測り直しやっとの思いで入浴できたと言うのはどの事業所でもよくあることでしょう。
今回はそんなバイタル異常値を出してしまったご利用者様への対応について書いていきたいと思います。
バイタルの基準値
入浴前は既往症のチェックや事前のバイタルチェックなど事前の準備をしっかりと行っていかなければなりません。
私のデイサービスでは下記のような指標が有ります。
バイタルの指標がきっちりと決まっていればフロアの職員も入浴担当者も異常情報を共有できます。
- 血圧 拡張期 100~160
収縮期 50~90 - 体温 35.5℃~36.9℃
- 脈拍 50~100
- 酸素濃度 95%以上
この基準を出てしまった場合、時間を置いて再検査という対応を取っていますが、時間には限りが有りいつまでも範囲内に収まらない方もいらっしゃいます。
そういった場合は基本的に入浴中止にしておりご家族や主治医の許可が出た場合シャワー浴などの対応を取っています。
こういった基準を超えてしまいやすいご利用者様というのは一定の数いらっしゃって、現場の入浴担当者のスケジュールを狂わせてしまいます。
バイタル異常値を出してしまうご利用者様への対応
バイタル異常が多く入浴のスケジュールがずれてしまうと全体のスケジュールにも影響が出てしまい、最高のサービスを提供することができなくなってしまいます。
普段からバイタルチェックで引っかかってしまう方はそれなりの対応の準備をすることで対応することが出来ます。
入浴の順番を後(先)にする
ご利用者様によって、朝早いと血圧が高くなりがちな方で時間が立ってくると下がってくるという方がいらっしゃいます。
その逆で時間が経つと血圧が上がってくる方もいます。
こういった方は体質の他、薬に飲む時間や効き方によるものなのでしょうが、結構な数いらっしゃいます。
また、毎回同じような血圧の高低をたどることも多いのです。
バイタルの推移を記録しておきどのような時間であればバイタルクリアになるのか把握しておき、それに入浴時間を合わせておけばスケジュールの組み換えの必要性が経るはずです。
入浴許可証を取得する
体質的に血圧や脈が平均値とかけ離れている方もいらっしゃいます。そういった方は主治医に入浴許可証をもらっておきましょう。
これは私のデイサービスで使っている入浴許可証です。ご利用者様やケアマネに頼み主治医に書いてもらいます。
主治医に単に意見書を貰おうとすると診断書として費用がかかってしまう場合がありますので、こちらを使ってちゃちゃっと書いてもらいましょう。
このように入浴許可をもらっておけば、バイタル制限の枠を出てしまった場合でも責任問題に発展しない可能性が高いです。
基本的な制限の枠に収まった値しか許可されないのであれば意味がありません。
できるだけ幅広いバイタルで入浴が可能なように数値の記入をお願いします。
中止を決断し、振替などの対応
最後の手段として、中止を早めに決断し後日振替利用を呼びかけることもできます。
翌日の空き状況などを確認して余裕があるようでしたらケアマネジャーやご家族に確認して振り返りようにしてしまいましょう。
入浴サービスは綿密なスケジュールの上で提供されている事が多いです。
再検査による順番の変更が怒らないようにフロア担当の職員がバイタル異常を出しやすいご利用者様を把握し、滞りなく入浴にお連れできるように準備しておきましょう。
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