介護保険を利用した介護サービスは利用料のうち90%を介護保険から支払ってもらえるため、残りの10%を負担すればいいだけになります。
ただし、介護保険サービスは誰でも利用できるわけではなく、介護認定を受けた上で介護度を取得する必要があります。
今回は要介護認定について記述していきます。
目次
要介護認定とは
介護が必要な方にどれだけ介護サービスが必要かを調査し、要支援1と要支援2、要介護1~要介護5の7段階に分けるのが介護認定です。
介護保険が始まる前の介護サービスは、住んでいる自治体によって受けられるサービスがバラバラでした。
その為2000年から始まった介護保険制度では、そういった地域間格差をなくし全国一律で公平な介護サービスを提供することを目的としており、そのために作られたのが要介護認定制度です。
各介護度によって受けられるサービスの量やサービス利用にかかる金額が異なってきます。
要介護認定基準とは
各介護度には下記のように明確な状態像が設定されており、同じ高齢者に対して審査する人間が変わっても同じ介護度が出るようになります。
基準も根幹にある考え方は「どのくらいの時間介護サービスを行う必要があるか」です。
要支援1
日常生活の能力は基本的にあるが、入浴などに一部介助(見守りや手助け)が必要。介護予防サービスにより生活機能が維持または改善する可能性が高い状態。など
要支援2
食事や排泄はほとんど自分でできるが、時々介助が必要な場合がある。立ち上がり等に不安定さがみられることが多い。重い認知症等もなく心身状態が安定しており適切な介護予防サービスの利用により、状態の維持や改善が見込まれる状態。など
要介護1
食事や排泄はほとんど自分でできるが、時々介助が必要な場合がある。立ち上がり等に不安定さがみられることが多い。心身の状態が安定していないか認知症等により部分的な介護を要する状態。など
要介護2
食事や排泄に介助が必要なことがあり、身の回りの世話全般に介助が必要。立ち上がりや歩行に支えが必要。など
要介護3
排泄や身の回りの世話、立ち上がり等が自分でできない。歩行が自分でできないことがある。など
要介護4
排泄や身の回りの世話、立ち上がり等がほとんどできない。歩行が自分でできない。問題行動や全般的な理解の低下が見られることがある。など
要介護5
食事や排泄、身の回りの世話、立ち上がりや歩行等がほとんどできない。問題行動や全般的な理解の低下が見られることがある。
介護認定を受けるまで
介護認定を受けるためには、最寄りの役所や地域包括支援センターに申請する必要があります。その際に必要なものは下記のとおりですが、自治体によって多少違いがあるので慈善に確認しておきましょう。
①申請書
※最寄りの役所や地域包括支援センターに取りに行くか役所のホームページなどでダウンロードできることが多いです。
②介護保険被保険者証
※65歳の誕生日に役所から送られてくる保険証です。
③マイナンバー又は他の身分証明書
④主治医の意見書
申請書を提出して1ヶ月ほどで介護認定の訪問調査が行われます。
要介護認定の手順
①訪問調査(コンピューター一次判定)
役所の担当者やケアマネが申請者のご自宅を訪問し、日常動作を行ってもらったり健康状態や精神状態について本人やご家族に聞き取りを行います。その際に使われる調査票は全国一律になっており不公平が出ないようになっています。
コンピューターシステムはその調査票を元に過去のデータから申請者の介護度を出します。
- 訪問調査時に見られる日常動作
- 意志の伝達や理解力
- 立ち上がりと歩行状態
- 食事、入浴、排泄について
- 金銭など身の回りの管理能力
②介護認定審査会(二次判定)
介護認定審査会は自治体の首長によって設置される、保健、医療、福祉の専門家で構成された組織です。
介護認定審査会は一次判定と主治医からの意見書を元に認定申請者の介護度を判定します。
③介護認定の不服申し立て
介護認定結果に不服がある場合は通知があった日の翌日から60日以内であれば、都道府県に設置されている第三者機関の「介護保険審査会」に申し立てをすることができます。
総合事業
2015年からは総合事業が始まっています。
介護保険サービスを受けるまでは必要ない方が、介護予防やボランティアによる手助けが必要な方は介護認定を受けずに役所のチェックシートでの判定を受ければ一定のサービスを受けることができるようになりました。
行政によってサービス内容がバラバラですので、役所の高齢福祉課などに問い合わせて見てください。
体の状態のことでなにかお困りなことがあったら躊躇せずに相談してみましょう。
【介護保険とデイサービスに関する記事はこちら】
[…] 介護認定調査についてはこちら […]
[…] 介護認定の受け方はこちら […]
[…] 当然介護度が上がればスタッフの手がかかることも多いでしょうし、様々な処置が必要になる場合がありますから当然といえば当然です。 各介護度のADLなどの基準についてはこちらをご覧ください。 […]