平成30年の介護報酬改定が発表されました。
デイサービスに関わる部分を抜粋しましたので、解説していきます。
目次
①生活機能向上連携加算の創設
常勤の機能訓練小規模事業所でも個別機能訓練加算が取得できるようにと新設された加算です。
他事業所のPTやOTの協力を取り付けることができるかが鍵になるでしょう。ケアマネの積極的な介入が必要かもしれません。
概要 | 自立支援・重度化防止に資する介護を推進するため、生活機能向上連携加算を創設し、通所介護事業所の職員 と外部のリハビリテーション専門職が連携して、機能訓練のマネジメントをすることを評価する。 |
単位数 | 生活機能向上連携加算 200単位/月(新設) ※個別機能訓練加算を算定している場合は100単位/月 |
算定要件 | ○ 訪問リハビリテーション若しくは通所リハビリテーションを実施している事業所又はリハビリテーションを実施している医療提供施設(原則として許可病床数200床未満のものに限る。)の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、医師が、通所介護事業所を訪問し、通所介護事業所の職員と共同で、アセスメントを行い、個別機能訓練計画を作成すること ○ リハビリテーション専門職と連携して、個別機能訓練計画の進捗状況を3月ごとに1回以上評価し、必要に応じて計画・訓練内容等の見直しを行うこと。 |
②心身機能に係るアウトカム評価の創設
利用者のADLを維持改善させた事業所を評価するために作られた加算です。
手間に対して加算額が少ないことと5時間以上の提供時間を求めているため、短時間の事業所が算定できないため取得が広まるか疑問です。
ただ、今後の加算額の拡大の可能性があります。
概要 | 自立支援・重度化防止の観点から、一定期間内に当該事業所を利用した者のうち、ADL(日常生活動作)の維持又は改善の度合いが一定の水準を超えた場合を新たに評価する。 |
単位数 | ADL維持等加算(Ⅰ) 3単位/月(新設) ADL維持等加算(Ⅱ) 6単位/月(新設) |
算定要件 | ○ 以下の要件を満たす通所介護事業所の利用者全員について、評価期間(前々年度の1月から12月までの1年間)終了後の4月から3月までの1年間、新たな加算の算定を認める。
○ 評価期間に連続して6月以上利用した期間(注1)(以下、評価対象利用期間)のある要介護者(注2)の集団について、以下の要件を満たすこと。 注1 複数ある場合には最初の月が最も早いもの。 |
③機能訓練指導員の確保の促進
利用者様の心身機能の維持を促進するためにこれまでの機能訓練指導員(PT、OT、ST、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師)に、6ヵ月以上の実務経験を持つ鍼灸師(はり師・きゅう師)を追加となりました。
④栄養改善の取り組みの促進
外部の管理栄養士との連携でも取得可能になりました。
これも提携先の確保が問題になります。
概要 | ア 栄養改善加算の見直し ○ 栄養改善加算について、管理栄養士1名以上の配置が要件とされている現行の取扱いを改め、外部の管理栄 養士の実施でも算定を認めることとする。 イ 栄養スクリーニングに関する加算の創設 ○ 管理栄養士以外の介護職員等でも実施可能な栄養スクリーニングを行い、介護支援専門員に栄養状態に係る 情報を文書で共有した場合の評価を創設する。 |
単位数 | ○アについて 栄養改善加算 150単位/回○イについて <現行> なし<改定後> 栄養スクリーニング加算 5単位/回(新設) ※6月に1回を限度とする |
算定要件 | ア 栄養改善加算 ○ 当該事業所の職員として、又は外部(他の介護事業所・医療機関・栄養ケア・ステーション)との連携により管理栄養士を1名以上配置していること。イ 栄養スクリーニング加算 ○ サービス利用者に対し、利用開始時及び利用中6か月ごとに栄養状態について確認を行い、当該利用者の栄養状態に係る情報(医師・歯科医師・管理栄養士等への相談提言を含む。)を介護支援専門員に文書で共有し た場合に算定する。 |
⑤基本サービス提供区分の見直し
これが最も影響のある変更になるでしょう。
これまで2時間毎の報酬体系から1時間毎の区分に変更されます。
時間と規模によりますが、大規模事業所で短時間利用の施設がマイナスになります。
3時間利用の2部制を採用しているデイサービスは4時間利用にしないと売上を維持できません。
午後だけでも4時間利用のご利用者様を取るなどの工夫が必要かもしれません。
変更点のまとめ
3時間利用の場合、規模にかかわらず4.5%程度マイナス
4時間利用の場合は地域密着は現状維持、大規模はマイナス
5時間利用の場合は地域密着型は現状維持、通常規模や大規模はマイナス
6時間利用の場合は地域密着型はプラス、通常規模や大規模は現状維持
7時間利用の場合は地域密着型は現状維持、通常規模や大規模はマイナス
8時間利用の場合は地域密着型はプラス、通常規模や大規模は現状維持
点数の詳細はこちらから
⑥運営推進会議の開催方法の緩和(小規模事業所のみ)
現在認められていない複数の通所介護事業所の合同開催について、以下の要件を満たす場合に認める。
利用者・家族は匿名とするなど個人情報やプライバシーを保護すること。 |
同一の日常生活圏域内に所在する事業所であること。 |
⑦共生型通所介護
介護保険と障害福祉、どちらかの制度のもとでデイサービスを提供している事業所が希望すれば、基本的に全て共生型サービスの指定を受けられるようになります。介護保険の基準のみを満たす事業所の障害報酬は、現行の基準該当サービスを参考にします。
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