最初のお店をオープンする際にご利用者様用の椅子とテーブルに関しては相当にこだわりました。
椅子はご利用者様が最も触れている時間の長いものです。
長い時間座っているので合わない椅子だと体を悪くしてしまうこともあります。
ですから、不動産を探すのと同じくらい時間をかけて椅子を探しました。
にとりやイケアも見ましたし大塚家具やカッシーナなどの高級家具店も積極的に見に行きました。
数点の候補に絞ったあとは実際に私の親類(当時は84歳で要支援1でした)を呼んできて実際に座らせて感想も聞きました。
高齢者が座る椅子を選ぶ際にポイントとなる項目は下記のとおりです。
座面の高さ
座高面が高いほうがいいのか低いほうがいいのか、実は一長一短なのです。
高齢者が一番苦労するのが椅子からの立ち上がりです。
膝を深く曲げた状態から伸ばす際に力が必要となるからです。
座高面が高いとすんなりと立ち上がることができます。
その反面、座高面が高すぎると背の小さい方は足が浮いてしまう場合があります。
肘掛け
肘掛けも立ち上がるときに使うので高齢者が肘掛けを両手で持って、
立ち上がれるように肘掛けは高く水平に腕の位置まで伸びている椅子を選びましょう。
デザイン
椅子を勉強してみて知りましたが椅子の世界はかなり深く、
素材、加工方法、色合い、デザインは中国系かイギリス系かアメリカ系かなど様々なカテゴリに分けられています。
値段に関しても数千円ものもから百万円を超えるものまでありました。
やはり美しい椅子に座っているととても気分がいいものです。
女性なんかはきれいな椅子を見ると結構喜びます。
そのデイサービスにあった美しい椅子を揃えてみるのもいいかもしれません。
介護には直接関係ないかもしれませんが、
介護福祉の先進国であるデンマークやフィンランドは椅子や家具などでも先端を走っています。
たくさんの種類の椅子が日本でも手に入ります。
私もそこに目をつけて売りにできないかと色々試したのですが、
殆どがあまりにも座面が高かったので諦めることになりました。
後にわかりましたが、あちらの方は高齢者でも平均身長が180cmに迫るということでそもそも設計自体が日本人に合わないというのでした。
背もたれの角度とリクライニング、オットマン
高齢者は腰が曲がっていることが多く、
座面が長かったり背もたれの角度がきついと体がうまく収まらずに居心地の悪い思いをされることがあります。
座面は長すぎず、背もたれはリクライング可能なものが良いでしょう。
横になって休みたいご利用者様にも対応できます。
また、足を下げっぱなしにすると血が溜まってしまいむくみが出てしまう人も多いです。
ですからオットマン(足置き)も用意したほうが良いでしょう。
オットマンが座面のしたから出てくるなんてものもあるようです。
うちのお店もこれまで数種類の椅子を試してきましたが
最近はほぼおなじ椅子で統一しています。
ここでお伝えすることはできませんが、リクライングが可能で、
うちのお店のイメージカラーである深緑の生地を選べ、肘掛けがあるものです。
決して安いものではありませんがご利用者様が一番接する時間の長いものですのでこだわっても良いかと思います。
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