2018年夏現在、私がデイサービスを始めて6年が経とうとしています。
開業当初から共にやってきた者たちも新たに資格を取ったり、介護知識を身につけたりと成長してきました。
運のいいことに私のデイサービスは利益を出すことが出来て、新しく2店舗開業することが出来ました。
当初からの社員たちが管理者のポストや生活相談員のポストについてもらい、昇給昇格を叶えることができています。
ただ、お店が増えれば当然新しい職員も毎年入ってきており、それぞれが色々な経験や資格を持ってやってきます。
そして、その新入社員たちも時を経て成長していきます。
そこで問題になってくるのが従業員のキャリアパスの問題です。
デイサービスの社員やパート職員に将来のあるべき姿を示し、やる気を持って仕事に打ち込めるような昇給昇格の制度を整備しないと職員はすぐに離れてしまいます。
今回はデイサービスが抱えるキャリアパスの問題点を洗い出し、どのようにキャリアパスを制度化していけばいいか論じて見たいと思います。
デイサービスのキャリアパス形成の問題点
さて、デイサービスの正社員のキャリアを考えた時に問題となってくるのは下記の事項です。
- 売上の上限が決まっているため、高額な給料を払いにくい
- なかなか上役が辞めずにポストが空かない
- 年次で給与を上げて行くと売上にかかわらずコストが上がっていく
- 介護福祉士以上の資格がない
- 評価制度を導入しにくい
- パート職員の時給の差をつけることが難しい(募集する際に高い時給を設定できない)
実はこれらの殆どがデイサービス内でのキャリアパスがしっかりと制度化されていないことに起因されています。
デイサービス施設内の役職
上記は私の運営する『日帰り温泉型デイサービスはつね』の基本的なキャリアパスになります。
この他に看護師が入りますが、看護師に関しては管理者になっていくようなキャリアとは少し違った道を歩むことになることになります。
また、このキャリアパスには他店舗経営を行っており、最終的には独立支援の制度があると言う前提で作られています。
実際には地域管理者や独立のキャリアは望めない事業所がほとんどです。
さて、図にもあるようにデイサービスの役職はとても少なく、役職につく人間ほど長い間居座ることになります。
その下にいる職員は長い期間役職につくことが出来きずに昇給させる事ができません。
特に男性社員が30代になっても介護職員から抜け出すことができずに満足な給料を得ることができていないというような事例がたくさんあります。
また、資格においても5年ほど介護業界にいれば大抵の人間が介護福祉士を持っていますので資格給を導入しても差別化を図ることができません。
ケアマネの資格をとったとしてもデイサービスでは活かすことはできません。
このようにデイサービスはポストが限られているため一般介護職員として働く時期が長くなりがちです。
また、介護職員たちを評価差別化する制度がなく給料も上がらないため、介護職員間で不安や不満が生まれ、生活相談員や管理者に昇格する前にやめてしまうのです。
そこで私が導入しているのが下記に示しますキャリア段位制度になります。
キャリア段位制度
キャリア段位制度とは資格制度では不足していた、実際に現場で何ができるかを評価し、レベル分けを行う評価制度です。
評価は実践的なスキル(できること)と知識(わかること)の両面から行われます。
レベルの評価を行う評価者はアセッサーと呼ばれ、介護福祉士としての実務経験があったり、法人介護部門の責任者などが研修を経ることで担うことができます。
レベルは1から7までの段階に別れており、アセッサーとともにOJTを行いながら認定を受けます。
現場で働きながら認定を受けることが可能なので、忙しい施設でも認定を受けることが可能になっています。
下記のサイトに概要が載っていますので確認してみてください。
https://careprofessional.org/careproweb/jsp/
このキャリア段位制度を採用することに護職員を知識や技術のレベルによって差をつけることができるようになりました。
レベルごとに加算給をつけることで介護職員に成長や
実際レベルを上げるために勉強をする意欲にも繋がっています。
キャリア段位制度を導入する事による助成金について
キャリア段位制度をキャリアパスに導入することでデイサービスのキャリアパスは厚みを増していきます。
キャリア段位をと入れることで自然に処遇改善加算Ⅰの要件を満たすことになるので、収入の面からもメリットがあります。
また、キャリア段位制度はまだまだはじまったばかりの制度で都道府県などが助成金を用意しています。これは自治体ごとに違いますので確認してみてください。
ちなみに東京都は年間200万円まで助成されますので、是非チャレンジしてみましょう。
キャリアパスの作成やキャリア段位制度の助成金については私のセミナーでもご説明が可能ですので、ぜひ聞きに来てください。
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