介護保険とデイサービス

【お泊まりデイサービス】利益主導のビジネスモデルは岐路に立つ

投稿日:2017年7月8日 更新日:

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お泊まりデイサービスは、朝から夕方までの通常のデイサービスと違い、夕飯や就寝の準備、就寝時の見回りなど日をまたいでお預かりしてくれるサービスです。

連泊も可能で長い方は1ヶ月まるまるお泊りになられることもあり、ご家族にとっては予約の取りにくいショートステイの代わりや、特養などの入れる施設が見つかるまでの繋ぎとしての利用が多くみられます。

 

お泊りは介護保険外サービス

お泊まりに関しては介護保険でデイサービスに認められたサービスではないため、介護保険外サービスとなります。その料金は全て自己負担となり、各事業所によってサービス内容や料金に差があります。

安いところでは夕食代あわせて1,500円程度に設定しているデイサービスもあります。平均は2500円程度ではないでしょうか。
基本的にお泊まりの次の日も通常サービスを利用することが条件になっているので、事前に問い合わせておきましょう。

 

お泊りデイサービスの問題点

お泊まりは介護保険外であると申し上げましたが、それは提供される施設やサービスについて行政の管轄外となってしまうことを意味します。
介護保険のサービスである場合、行政が設備や人員について確認をとった上で営業許可を出すため、最低限のサービスが保証されていると言えます。
しかし、保険外のサービスに関して行政が口を出すことは難しく、寝室の広さや環境、見守りの人員体制など各事業所が自由に決めることができてしまうのです。

このため、利益優先型の経営を行う事業所は狭い部屋に利用者をすし詰めにするなど、劣悪な事業所が多発したため、お泊りデイサービスの評判は一気に悪くなってしまいました。

 

2015年ガイドライン

そのような理由から厚生労働省は国としてのガイドラインを策定します。
各利用者に個室【大部屋の場合はバーティションなどで区切る】を用意することや介護職員の常勤を定めています。また、スプリンクラーの設置も義務付けられました。

このガイドラインの策定により介護保険外のサービスであっても一定のサービスが期待できるようになりました。

お泊りデイサービスの選び方

お泊まりはデイサービス本来の目的ではないため、施設によっては就寝のための設備がきちんと整っておらず、安全性が確保されていない施設もあるのが現状です。

下記の点に注意して、ご家族やケアマネの目で、
お泊まり可能な施設であるか調べる必要があります。

 

①寝る場所について

寝室が個別に用意されているか、少なくともパーティションなどで間仕切りされているか確認します。
個別の空間が確保されておらずプライバシーや他人から危害が加えられる可能性もあります。

②職員は足りているか

夜間は様々な事故が起こる可能性があります。夜勤が一人で数名のご利用者様に対応しているような施設もあります。普段から職員が足りていないところは夜勤にも人員を避けない可能性があるので注意しましょう。

③お泊まりの定員

中にはずっとお泊まりを続け、施設のように暮らしている方もいらっしゃるかもしれません。

 

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