最近少しずつ出て来たのが入浴特化型のデイサービスです。
こちらも午前・午後の2部制で3~5時間提供が多く、機能訓練や食事は提供していないことが多いです。
ご自宅で安全に入浴できない方はもちろん、近くの銭湯が潰れてしまって入浴できなくなってしまった方や他の施設に通っていたが、入浴後に一日デイサービスにいなければならないことに不満を持っている方などがご希望されます。
浴室のタイプは個室が多いですが大浴場のタイプもあります。ご利用者様の介護度は比較的軽い方が多く、ご自身で浴槽を跨ぐことができる方が多いです。
入浴という目的だけ果たせば帰りたいという希望の方が多いせいか、ご利用者様は男性が多くなることが多いです。
入浴特化型デイサービスの費用
リハビリ専用のデイサービスと違い、入浴特化型デイサービスの数はまだまだ少ないです。
参入してくる事業所が少ないのはコストの問題が上げられます。
浴室や脱衣所を作るためのスペースはかなりの広さが必要になり、浴室を作るためのコストもかなりかかります。浴槽を埋めるために床を掘るとなるとそれだけで100万円単位のお金が必要になってしまいます。
また、入浴介助には最低一人がつきっきりになる必要があり、浴室が3もあれば3人の人員が入浴だけにかかってしまい、その分の人件費がプラスでかかることになります。
入浴特化型デイサービスのメリット
・入浴サービスだけ受けて帰ることができるのでご利用者様が飽きない
・一日デイサービスよりも費用が安い
・入浴のベテラン職員が多いため安心して入用可能
入浴特化型デイサービスのデメリット
・入浴だけで、機能訓練や食事の提供がない
・そもそも入浴特化型デイサービスが少ない
入浴特化型デイサービスの選び方
入浴特化型デイサービスの選び方のポイントはまず、ご利用者様の状態で希望の入浴サービスを受けることができるかです。
片麻痺の場合麻痺のない側で浴槽を跨ぐための手すりがあるのか、職員は常時ついていてくれるのかなどです。
また、ADLによっては特殊浴槽がなければ入れないケースもあります。
次に大浴場なのか個浴なのかも重要です。特に女性のご利用者様は他の方に見られるのを嫌われることが多いです。
入浴以外の時間をどのように過ごすのかも見ておきましょう。
入浴後におやつを出してゆっくりしてもらうデイサービスは多いですが、それ以外にも歩行練習が受けられたりレクリエーションが豊富なところもあります。
入浴は清潔を保つだけでなく、皮膚病の予防や褥瘡の発見、精神的なリフレッシュなど様々な効果があります。
最近の入浴特化型デイサービスの需要の増加は入浴がお預かりのおまけだけではなくなってきたことを示しています。
事業者側も様々な工夫を凝らし、入浴にも個性が生まれています。最近では機械式浴槽を導入しているデイサービスや、入浴の後に機能訓練も受けることができるデイサービスも登場しています。
入浴特化型デイサービスの未来
居宅介護をされている方の入浴介助の需要はなくなりません。特に介護度の高い要介護者の受け皿は訪問入浴とデイサービスしかありません。
また、団塊の世代が介護を受けるようになったら、高級旅館の露天風呂に入りたいとか温泉の源泉に入りたいなどという需要が出てくるでしょう。
事業者側もただお風呂に入るだけではない入浴サービスを提供して行かなければ競争に勝てない日が来るかもしれません。高級化路線を行くのか、高介護度者路線を行くか、さらなる細分化が必要となるかもしれません。
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