デイサービスを開業する際に商圏調査を行うのは当然ですが、それは商圏内のデイサービスの出店数を調べるにとどまってはいませんか。
実際デイサービスと競業するのはデイサービスばかりではありません。
施設系サービスもライバル
ある地区で出店した際に初期のご利用者様集めに苦労したことがあります。
開業前によく似たタイプのデイサービスはほとんどなく、高齢者数も多いことを確認していたから不思議に思っていました。
開業後1ヶ月が過ぎた頃にあるケアマネさんに、この地区ではこの1年間で大規模の特養が4件も開設されていたことを聞きました。
そしてその居宅介護支援事業も、たくさんいた居宅サービスを受けていたご利用者様がごっそり持っていかれてしまったそうです。
高齢者が多く住んでいても、それが特養に入っていたり、有料老人ホームやサ高住に入っている場合はご利用してもらう可能性は少ないです。自治体の方針で一気に数棟建てられたりすることがあります。
ですから、地区内の施設の部屋数も調査の対象にしたほうが良いでしょう。
ライバルは介護施設だけじゃない
高齢者が入浴しやすい銭湯や高齢者リハビリが可能なジムなども競業になりえるでしょう。
東京浴場組合は行政と協力して65歳以上の高齢者の入浴料を割引したり、曜日によっては無料にしたりと高齢者利用喚起の施策を打ち出しています。
また、健康ランドなどでも送迎を行ったり高齢者が入りやすいように施設内のバリアフリー化や大浴場内の手すりなどの設置を行っているところもあります。
最近は大きなフィットネスクラブがシニア向けにプログラムを用意しているところが増えています。プールを使ったリハビリなどはデイサービスにはできないサービスでしょう。
自立の方から顧客を囲い込んでいるので、今後大きなライバルになりかねません。
このように高齢者市場は介護ビジネスだけのものではありません。どんな業界から参入してくるか、それが介護保険制度内のサービスなのか、保険外なのか、そんなことは関係なく我々はアンテナをはっていなければなりません。
病院もライバル?
商圏調査とは少しずれた話になってしまいますが、ある生活保護を受給されていたご利用者様の話です。
その方は入退院を繰り返していた方で、2ヶ月ほど経つと急に入院される生活を続けていました。元々肺気腫を抱えているご利用者様だったのですが、具合が悪いわけでもなさそうなのにいつも急に入院されるのでした。
私のデイサービスに通われてからもそういった入退院を続けていましたので、職員とおかしいなとずっと疑問に思っていました。
私がケアマネジャー様を通して聞いた噂なのですが、病院のベッドがあくと埋めるためにその方を入院させてしまうのだというのです。悪くは考えたくないですが、ベッドを埋めるために生活保護の方を無理矢理にでも入院させてしまうというやり方が行われていると言うのは聞いたことがありました。
その方は毎回大体1週間ほどして退院されるのですが、入院中はベッドに横になりっぱなしにされてしまうせいか、ADLはどんどん悪くなっていました。
私は入院を指示されても拒否できるんだよと、いい続けましたが結局入院生活は終わらず、そのうちに歩けなくなってしまいました。
もっと、入院を拒否するべきだと強く言っておけばと公開したものです。
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