経営者が倒れても回るような組織づくりを心がけるべきだ、
という話はよく聞くと思います。
いざ経営者が倒れた時に誰も仕事を引き継ぐこともできずに業務が回らなくなってしまっては、会社を存続させることもできません。
大企業であれば副社長や他の取締役がその任務を代わり、
うまく回して行くでしょう。
また、基本的に大企業の経営者は上がってきた経営判断を下すのが仕事なので、
その日の現場が回らなくなってしまうことは少ないでしょう。
しかし、小規模のデイサービスのような中小事業所の場合そうは行きません。
10名定員ほどの小規模デイサービスの場合、経営者が現場にでて送迎業務や入浴介助までこなしているなんてところはざらにあります。
それだけでなく請求業務や人事、会計まで裏方全部をこなしている経営者も多いのでは無いでしょうか。
もし経営者が倒れた場合、経営者がこなしていた全ての仕事を代われる社員なんていないでしょう。
それどころか社員の殆どは経営者がどのような仕事をしているかさえ知らずにいるのではないでしょうか。
いざという時のために、準備しておくことも大切です。
マニュアル作り
私は倒れるつもりも経営者を引退する予定もありませんが、
マニュアルの作成や業務の共有を開業前から意識して行っています。
経営者の業務は大きく2つに分けられると思っています。
①事業を回すための業務
既存の事業を継続するための業務です。
会計や人事
②事業を発展させるための業務
デイサービスの新規出店やその他の事業を始めるための業務
経営者マニュアルは①を優先して作成します。経営者が倒れたら事業を継続させることに集中し、拡大路線を行ってはいけません。
業務の引き継ぎ
マニュアルが作成できたらあなたの右腕に引き継ぎを行ってください。
業務自体を引き継げなくても、業務のやり方や流れを教えてください。
これは、右腕の成長にも繋がります。
時間がかかりますし、面倒ですが少しずつでもやっておくべきです。
銀行管理
銀行の管理に関しては倒れても問題のないように準備しておかなければありません。
通帳や印鑑の管理を社長だけが行っており、倒れてしまったら誰もありかがわからないようではいけません。
また、ネットバンキングを使っていて、IDやパスワードを経営者しか把握してないため入出金が止まってしまったなどというようにはならないように、銀行管理に関してはご家族で構いませんので、必ず誰かに託しておきましょう。
経営者は倒れない
ここまで書いてきてなんですが、経営者は基本的に倒れません。
生命保険会社の調査で保険に入っても経営者が倒れて交代する確率は1%未満だという結果がありました。
このサイトをご覧下さっている経営者がおいくつぐらいの方かわかりませんが、誰も倒れるつもりで働いていないですよね。
大切な事業と従業員を残して倒れている場合ではないでしょう。