PDCAサイクルの弱点については別の記事で記載しましたが、私は他にも弱点があると考えています。
それは業務の改善について考える仕組みにはなっていても、業務自体の必要性について問う仕組みがないことです。
必要な業務と必要でない業務
業務には必要なものと必要でないものがあります。
皆さんの事業所でも無駄なことなのになぜか続けている業務ありませんか?
何のためにやっているのかわからないけど、以前からやっていたから、やらないと不安だからなどの理由で続けている業務はありませんか。
他にも上司に相談すると怒られそうだからとか、その業務をしている間は休みながらできるからなどの理由で現場が無駄に気づきながら続けられている業務もあるかもしれません。
無駄な業務にお金をかける必要はないですし、職員の不満にもつながりやすいです。
早急にムダを見つけ出し排除しましょう。
ムダな業務の見つけ方
会社の存在理由は大きく2つ分けられます。
収益を上げること、ご利用者様を幸せにすることです。
それを、少し細かく分けると下記の5つになります。
- 収益につながるもの
- 経費を削減するもの
- 法律で決められているもの
- ご利用者様(ケアマネ)の満足、信頼を得るためのもの
- 人材の採用、成長につながるもの
これらの目標のためにならない業務は経営にとっての無駄の候補です。
すぐにやめられるか検討に入ってください。
目的が十分達成されている業務
次に減らしていける業務は、1~5の中の業務でも目的が充分に達成されているものです。
例えば、従業員は十分に足りていて、介護の知識や現場の業務レベルも十分である場合、採用のための業務や介護レベルを上げるための研修や会議は経営の観点から考えて必要なくなります。
また、登録も定員いっぱい(キャンセル待ち→)もいっぱいのデイサービスであれば、営業活動やご利用者様からの満足、信頼を得るための業務はセーブしてもいいと思っています。
もちろん目的達成のレベルが下がってしまった場合はすぐに業務を再開する準備をしておく必要があります。
業務を捨てることを恐れるな!
業務を捨てることを恐れてはいけません。
ムダを続けていく企業スタイルこそが恐ろしい習慣につながります。
ムダが潜在化して溜まっていくと凝り固まって行き、除去するのが非常に難しくなります。
ムダを見つけたらすぐに削減するべきです。
もしそれが失敗だったらまた戻せばいいだけなのです。
先程例に挙げた営業活動を捨てる選択ですが、とても怖い選択に感じるかもしれません。
しかし、よく考えてください、あなたのデイサービスは既に人気な店舗なのです。現在のレベルのサービスで十分満足してご利用者様は来所されているのです。
私のデイサービスでは普段から営業活動を行っておりません。
枠が空いた際にFAXを流すのとホームページで空きが出来たことを伝えるのみです。
最初はケアマネジャーの反応が気になりましたが、結果として空きの情報を伝えるとすぐに予約の連絡が来ますし、ほぼ満員を続けています。
ケアマネージャーにとっては空きがないことが当たり前のため、空きの連絡が来るとすかさず予約しなくてはという誘引が働くそうです。
抵抗勢力との戦い
業務を減らすということは誰かの働く時間を減らすことにつながる事になります。
ここには抵抗勢力の反対や邪魔が入ることがあります。
抵抗勢力とは政治政局でよく使われる言葉でみなさんも聞いたことがあると思いますが、規制改革や組織改革によって仕事を奪われたり所属している組織を壊されたりする中で、自らのエゴを優先して抵抗する人間の事を言います。
小泉純一郎さんや小池百合子さんが抵抗勢力を使った選挙戦術で大勝利を収めています。
しかし、これは政権側から見た構図で、実際抵抗している人々は当の規制や組織を本気で必要だと考えている事が多いのです。業務の削減に対して反対する職員も同じで、本気でデイサービスを良くしたいと考えているに違いありません。
我々一般人はメディアや有権者を使って改革の流れを作ることは出来ません。
淡々と業務の必要性がないことを説明して納得してもらうしかありません。
私のデイサービスでも誕生日のプレゼントを廃止を提案したことがありました。
毎週誕生日の方を調べて、プレゼントを用意したり誕生日の歌を歌ったりと結構職員の負担になっていました。
もちろん、ご利用者様は喜んでくださいましたが、プレゼントの内容が以前と違うとか、誕生日を忘れてしまいクレームにつながってしまったこともありました。
私はコストに対してリターンが少ないと考えていて廃止を提案しましたが、誕生日プレゼントを探したり手紙を作っていた職員から猛烈に反対されました。
業務を減らせないなら
業務を減らすことが難しいなら①業務を簡素化する②他の業務と組み合わせる事ができないか検討します。
先程の話ですが、結局誕生日プレゼントは廃止して、契約時に名前付きのデイバックをプレゼントすることにしました。
そして、その担当に誕生日プレゼント選んでいた職員を指名しました。
バックはインターネットで大量に買えましたし、写真もポラロイドカメラで簡単に撮れます。
名前付きデイバックがあるとお荷物の取り間違えはなくなりますし、名前が付いたことでご利用者様はとても喜んでもらえます。みんなほぼ同じデザインのものを配りましたし、契約時に渡すので忘れることもありませんでした。
経営者としては本当は完全にやめてしまいたかった業務ですが、職員の反応も見て決断しました。
いずれにしろ無駄な業務を減らすには思い切った決断と多少の強引さが必要かもしれません。何が無駄なのか、本当に無駄なのかわからないことが多いからです。
最初はすごい抵抗を受けることがあるかもしれません。あなたが断固たる決意と行動で先導して成し遂げなければなりません。
[…] その場合は業務を見直し、無駄やなくせる業務がないかを見直さなければなりません。 無駄な業務の削減についてはこちらを参考にしてみてください。 […]