経営者の仕事は何か決断を迫られた際に、あらゆる情報を集めたうえで決断を下すことのみだと言う格言(?がありますが、私もそう思っています。
特にある程度事業が大きくなって来ると経営者は現場に出ることよりも決断を下すことに労力を使う方が会社の成長につながるでしょう。
私もこれまで様々な決断に迫られてきました。
デイサービスを開業する際はもちろんのこと、曳舟店や立石店を出すときも大きな決断でした。
それ以外にも車の購入や人の採用など私にとっては大きな決断がたくさんありました。
その度に悩みぬき、時には人に相談するなどして決断してきました。
もちろん、悩んだ結果諦めた事業や投資、人の採用もたくさんあります。
さて、この記事をご覧になられている方は、デイサービスの経営者やその他介護サービスの経営者の方、デイサービスの管理者の方や介護職員の方など様々でしょうが、私と同様に人の業務の中で様々な決断に迫られていると思います。
そんな皆様に少しでもお役に立てればと思い、この記事では私が何かを決断する際に指標にしている考え方を披露したいと思います。
試せるなら試せ
何かを決断する場合に決断した結果を知ることができれば失敗することはないでしょう。
マーケディンの世界にテストマーケティングという言葉があります。
商品を大量生産して売り出す前に少量生産をして顧客に配って反応を見るという戦略です。
これはコストをかける前に需要を知ることができるのでメーカーであれば必ず行う主要ですが、介護事業所ではあまり見かけないように思います。
私が最初の『日帰り温泉型デイサービスはつね江戸川』を開業する前、私は墨田区のデイサービスで雇われ管理者を担っていました。
そこは1日型のレスパイト型デイサービスでしたが、私が来るまで赤字であった店舗を黒字化させることに成功していました。
ある程度決済権を与えられていた私は、すでに独立をもくろんでいましたので、いくつか試してみたいことをデイサービスで試すことにしたのです。
まず私は時間の入浴サービスを導入して需要があるのかを調査しました。
これが長い時間デイサービスの椅子に座っているのが耐えられないという男性のご利用者様に好評であることがわかりました。
また、私が気になっていた機械式浴槽を導入することが出来たので、事前にとても使いやすいものだという確認も出来ていたことはとても心強かったです。
私はこのような実験を通じて半日型で機械式浴槽があるデイサービスが受けるという確信に近い自信を持った上で、開業を決断することが出来ました。
もちろん、決断を下す際に完全に再現することは不可能ですができるだけ近い状況を作り出しテストするれば良い決断ができる可能性がぐっと上がるはずです。
自分を信じろ
みなさんも何かの決断を下す時に信頼する従業員や経営者の仲間に相談する方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん選択肢を広げるために人に相談することを否定しませんが、結局決断するのはあなた自身です。
他の方が責任をもってくれるわけでもありませんし、決断による利益を得るのもあなたなのです。
相談者の意見は一つの見方として捉えて、自分自身の決断に自信を持ってください。
特に断定的に話をする人には気をつけてください。
あなたの相談に対して、「絶対に~だ」「間違いない」というように断言されてしまうとあなたの決断は一方に偏ってしまうでしょう。
断言する人も大した根拠を持っていないことを知るべきです。
私には親しい尊敬すべき経営者がおり、いろいろな新しい事業の相談を持っていっていたのですが、総じて私の意見には反対した上に断定的に自信を持って諭されてしまうので決断できなかったということが多々有りました。
今になって考えるとそれらの事業は今行っていれば先駆者に慣れたような事業であって成功できたのではないかと考えてしまうことが有ります。
あなたが取り組んでいる課題に最も詳しいのは間違いなくあなたです、自信を持って決断を下してください。
失敗を恐れるな
最後に伝えたいことは決断を下す際に失敗を恐れないでほしいということです。
失敗を恐れるがあまり決断を先延ばしにしてしまったりチャンスを逃してしまうかもしれません。
決断を下すことは難しいですし、大きなチャレンジの場合は失敗した場合のことばかり頭に浮かんでしまうことでしょう。
失敗しても皆に謝ってあなたが後始末をすればいいじゃないですか。
たとえお金を失ってしまっても命を取られるわけではありません。
失敗した後のことを不安に思っていては正しい判断ができるとは思えません。
デイサービスを含めた介護保険事業は介護保険法の改正によりこれからも沢山の決断を迫られることでしょう。
その度に変化や失敗を恐れていてはいずれ時代に取り残されることになってしまいます。
情報を集めたりテストを行った上で恐れずに自信を持って決断を下せれば、あなたの事業は必ず良い方向に向かって進み始めるでしょう。