皆さんはペルソナという言葉をご存知でしょうか。
ペルソナはマーケティング用語で、商品やサービスを新規に検討する際に設定されるターゲット像のことを言います。
ペルソナは単なるターゲットとは異なり、性別や年齢だけでなく性格や経歴、趣味趣向まで細かく設定することによって、具体的な商品開発やサービスの提供に役立てようというものです。
皆様のデイサービスでペルソナは設定されていますか。
ペルソナは設定されてなくてもターゲットとしている要介護者のイメージは共有されていますか。
今回はデイサービスにとってペルソナは必要か、事例を見ながら考えてみたいと思います。
ペルソナの成功例:スープストック
ペルソナ設定の最も有名な成功例は下記に示すスープストックさんの例です。
スープストックは食べれるスープを売りにしている飲食店で、手頃なサイズ感と豊富や種類で女性から一人暮らしのサラリーマンに人気です。
基本情報
名前: 秋野つゆ(37歳) 女性
・都内在住
・独身か共働きで経済的に余裕がある
・都心で働くバリバリのキャリアウーマン
特徴
・社交的な性格
・自分の時間を大切にする
・シンプルでセンスの良いものを追求する
・個性的でこだわりがある。
・装飾より機能を好む
・フォアグラよりレバ焼きを頼む
・プールに行ったらいきなりクロールから始める。
ここまで設定することによって、より具体的な商品開発や店舗開発ににつなげることが可能になりました。
ちなみに具体的に言うと、店舗の出店はオフィス街で店舗は機能的かつスタイリッシュさを表現したそうです。
秋野さんは渋谷は好まないので一店舗も出店してないそうです。
また、商品に関しては肉や野菜、からいものから甘いものまで豊富に揃え、ご飯やパンなども種類を用意しているそうです。
これらの戦略があたり、スープストックは創業わずか10年で、売上高42億円、52店舗を達成しています。
ペルソナ設定の効果
ペルソナを設定したところで「秋野つゆ」さんは実際いないですし、37歳の女性しか購入しないのであったら商品はヒットしません。
実際スープストックは男性にも人気です。
ペルソナの設定の効果は全ての要素を持った顧客だけをターゲットにしているわけではなく、どれか1つの属性を持った顧客の気持ちを引き寄せることもできるのです。
つまり、ペルソナ設定の目的は商品やサービスの作成過程でチームのメンバーと共通の意識を持つことにあります。
デイサービスにペルソナの設定の仕方
さて、デイサービスの運営にペルソナの設定は必要かどうかですが、私はペルソナを設定するべきだと思っています。
近年成功を納めているデイサービスを見てみると特徴がはっきりしていたりターゲットを絞り込んでいる事業所が多いように感じます。
カジノデイサービス、歩行距離を伸ばすことに特化したデイサービス、日帰り温泉型デイサービスや少し前には男性専用のデイサービスなどというものも出来ました。
では、具体的にペルソナの設定して戦略を考えてみましょう。
新規デイサービス開業のペルソナ
林虎雄さん
83歳男性
奥さんと2人ぐらし(奥さんは元気)
革製品の加工を得意とする職人だった
2年前に脳梗塞で倒れて左半身が不自由
歩行器を使って歩くことができるが距離は短い
唯一の趣味は競馬
人付き合いは苦手
などとペルソナを設定するのであれば、短時間のデイサービスで歩行訓練のリハビリを徹底的に受けられるデイサービスが良いということになります。
また、休憩時間中はリラックスできるように席と席の間を開けて競馬新聞やテレビを見て過ごせるように、などと具体的な特徴を設定することが出来てきます。
このようにペルソナを設定することで具体的なアイデアを出すことが出来ました。
これだけでもそこそこ魅力的なデイサービスができそうな気がしますよね。
同様にすでに開業しているデイサービスの場合でも新たなご利用者様の獲得につなげることが可能になりますので試してみてはいかがでしょうか。