大規模デイサービスの魅力の続きです。
これまでの記事
フロア見守りの規模の経済
見守り業務が最も規模の経済の恩恵を受けることが可能です。静かに座ってレクリエーション等を楽しまれているのであれば特に職員が寄り添っている必要はありません。
デイサービスの人員基準にあるように15名程度に対して1人の職員がいれば十分ですし、環境が整っていれば更に効率化が可能です。手が必要なときに他の業務を行っている職員に声をかけられる体制を作っておけば20人以上いても1人で見守りは可能です。
一方少人数であっても必ず1人は見ていなければなりません。小規模デイサービスだとフロアに5名程度しかいないのに1人の職員を割かなければならないという非効率が発生してしまいます。
この非効率なフロア職員の配置が小規模デイサービスの経費を増やして経営を圧迫しています。
細かい計算は省きますが、これまでの私の小規模デイサービス(定員10名)の場合基本的に人件費率は40%前後となっていましたが、35定員規模のデイサービスの場合30%程度に効率化ができる計算となりました。
これは売上が500万円のデイサービスを想定すると人件費が200万円から150万円に圧縮できる計算となります。
当然人不足の昨今の介護業界で職員数を集めるのはかんたんなことでは有りませんが、この効率化された人件比率を2%ほどでも職員に還元すれば採用が可能になるかもしれません。
定員率(効率的な不動産利用)
さて、人件費の効率化についての記事が長くなってしまいました。大規模デイサービスの魅力の2番目は定員率です。
定員率とは私の考えた造語ですが、サービス定員人数/㎡数で表します。
定員10名のデイサービスを100㎡の物件で営業していれば定員率は10%となります。
デイサービスには定員1人あたり3㎡の機能訓練室または食堂が必要ですから、当然定員数は不動産の広さに依存します。
私の運営している入浴専門の『日帰り温泉型デイサービスはつね』は小規模デイサービスで、定員率は10%~13%となっていました。
75㎡~100㎡の物件で10名定員のデイサービスを運営しているのでこの計算となります。
足立区西新井本町で開業を予定している物件は200㎡で35名定員が可能となるため定員率は17.5%となり大幅に効率化しています。
これは機能訓練室や食堂以外の共用スペースを効率的に配置できるからです。小さいデイサービスでも事務室や相談室が必要ですよね。
そういったスペースは効率的に配置ができるわけです。
不動産を効率的に使うのであれば多きければ大きいほど効率的になるわけです。その反面よほど大きい物件となるとなかなか見つからなかったり、敷金礼金が高めに設定される傾向があります。
私も都内全域で200㎡の不動産を探し回りましたが、見つけるのに苦労しました。
300㎡以上となるとかなり特殊な物件かとてつもない家賃が設定されているようなところしか有りませんでした。
いずれにしろ不動産が大きければ大きいほど定員率が高くなり、効率的な運営ができるようになります。
これも規模の経済の一種ということになりますが大規模デイサービスのメリットの一つです。
パート④に続く。
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