皆様は事業の多角化について考えたことがありますか。
多角化とはこれまで行ってきた本業と違った新たな分野に進出するという経営用語です。
本業以外に収益源ができれば経営の安定化につながります。
一方、本業とは違った分野に進出するのは、経営としてとてもリスクのあることです。
私は最初に作り上げた理想のデイサービスの店舗数を増やしてきました。
デイサービスの設備に関しては少しずつ改変を繰り返してきましたが、根本的なコンセプトに関しては最初から作り上げたものと殆ど変わっていないと思います。
私はこれまでに何度か多角化のお誘いを受けてきました。
大きい案件では千葉市にサービス付き高齢者向け住宅を立てるので、運営を全てを任せたいというような依頼。
訪問看護、障害児童向けの放課後等デイサービスなどの開設のお誘いも多かったです。
また、フラメンコバーを作ってみないかなどという本業と全く関係のないお誘いもありました。
2017年の初めまで私は全てのお誘いを断ってきました。
私がまだまだ現場に出ることが多く時間も取れなかったこともありますが、腹を据えて多角化について考えて来なかったからです。
しかし、近頃私は事業の多角化を考え始めています。
最近余裕が生まれ、国の社会保障政策への不安やデイサービス以外の介護事業について勉強する時間ができたからです。
私が多角化について勉強してきたことを少し共有していきましょう。
目次
多角化の意味
多角化の意味は新たな収益源を得ることだけでなく、事業内容を分散させることによってリスクを分散化させることができることにもあります。
仮に介護保険制度が大きく変わり、デイサービス事業が収益を産まないような事業になってしまった場合、デイサービスを諦め、他の事業を行っていればその事業にリソースを費やせばいいのです。
また、有能な人材や企業にたまったノウハウなどの有効活用としても多角化は機能します。
多角化の是非
多角化の是非に関してはコリンズのビジョナリー・カンパニーなどの書籍から語られ尽くしています。
そもそも儲かっている企業が多角化する意味があるのか、本業に陰りが見えて来た場合に行う多角化は成功しやすいのか、本業と関係のない多角化は成功するのか、などなど
現実には本業とは別の多角化で事業を大きくし、世界的企業になっていった会社もたくさんあります。
逆に多角化したせいで本業を含めて破産してしまった企業もあります。
成功率の高い多角化の条件
そんな中で私が考える成功率の高い多角化の条件は下記の3つです。
①現在の事業分野に近く、会社のノウハウが活かされる業界
まるで無知な業界に進出するための労力は計り知れません。
やはり業界の現状や収益の仕組みについてわかっているのは大きな武器になります。
また、従業員の確保や得意先の確保にも優位性を発揮できれば成功率が格段に上がるでしょう。
②多角化に必要な運転資金は現在の利益以下
多角化を行ったせいで本業の利益を全て吐き出してしまっては企業として維持ができなくなっては意味がありません。
多角化は余裕のある資金で行ってください。
多角化の初期投資は大きく出しても構いませんが、毎月の運転資金は利益以下にしてください。
③経営者又は役員レベルのうち一人でも情熱を注ぎ込むことができる
多角化は筋なき道を行く困難な行為です。
経営者が命を掛けてでも成功させたいと言うような情熱を注ぐことが必要です。
たとえ社長でなくても株式を持った役員クラスが主導しなければいけません。
2017年の後半私は2つの多角化に取り組むことにしました。
例えそれが失敗しても会社が揺らがないような準備は積んできました。
休み返上で、寝る間も惜しんで仕事に打ち込んでいますが、久しぶりのチャレンジはとても楽しくウキウキしながら仕事ができています。