新規事業に参入する業界を分析する際に使われる指標があります。
『大きな市場』『大きな変化』『大きな非効率』
の3つです。
1つずつ解説していきます。
大きな市場
多くの潜在的顕在的顧客がいる業界
大きな変化
社会情勢、経済、法律などの外部環境の変化が起きているまたは起ころうとしている業界
大きな非効率
技術、法律、業界の慣例など何か非効率が働いていてそれを除去する可能性を見いだせる業界
これはライフネット生命の創業者、岩瀬大輔氏の言葉です。
岩瀬氏は学生時代に司法試験に受かったものの、法曹界には入らずに経営コンサルティング会社に入社した後に生命保険業界に上記3条件が当てはまっていることからライフネット生命を創業しました。
当時、対面販売で高額な保険商品が売られていることに非効率を感じ、様々な法律問題を乗り越えて生命保険のネット通販を始めたのです。
2006年に創業した後2012年にはマザーズ上場、2017年には保有契約数が25万件を超えています。
さて、これら3つは私が入浴特化型デイサービスを開業した際もこの3つに当てはまっていることを確認してから創業しました。
市場については今後65歳以上の高齢者数は2045年(3,850万人)まで伸びると見られています。
変化については社会保障費の逼迫化や介護保険法の改正など今までもこれからも多くの変化が予想されています。
大きな非効率について
特に大きな非効率については思うところがあります。
私がデイサービスの管理者をはじめて気づいたことですが、本当は入浴だけを求めている要介護者なのに、短時間の入浴に対応しているデイサービスが少ないため仕方なく7~9時間対応のデイサービスを利用しているという方が多いことを知りました。
入浴だけなら3時間です。3時間の利用なら、時間も短ければ介護サービス費も半分程度に抑えられます。
高い自己負担を支払い、高い税金が投入され、入浴後は長い時間何もせずにぼーと時がすぎるのを待ってる要介護者がとても多かったのです。そこには大きな非効率が生まれていたのです。
デイサービス(介護事業)はまだまだ新規事業に向いている業界だと思います。
ちなみにライフネット生命は近年契約数の伸び悩みを抱えているようです。
詳しくかは書きませんが、大きな非効率にメスを入れきれいないとの指摘があるようです。