さて、今回ではつね曳舟編も最後になります。
第1回では既存のデイサービスを買い取って開業を決意するまで
第2回ではご利用者様を継続利用させながらリフォームを行った苦労
をお話してきました。
買収での開業の強み
以前営業していたデイサービスにご来所いただけていた、ほとんどのご利用者様に残っていただけたことで勝算は高かったのですが、見事に開業1ヶ月目で黒字にすることが出来ました。
お金が入ってくるのは2ヶ月後ですが、ほっと胸をなでおろせたことを覚えています。
すでに付き合いのあったケアマネジャーからも新たにご利用者様を紹介していただけました。
ケアマネは運営母体が変わったり経営者が変わると様子を見てなかなか紹介をくれないということがあるので心配していました。
介護職員の全てが残ってくれたこと、新しいお店のコンセプトと合わないご利用者様もなんとかして受け入れたことがケアマネジャーの好評を得たのではないかと思っています。
M&Aを行って開業したものの以前の職員やご利用者様を取り逃して苦労している経営者がとても多いと聞いていますが、とてももったいないことをしているんだと改めて思いました。
職員の確保は紹介が1番!
ご利用者様の問い合わせは絶えず増え続けており、開業から1年で売上が250万円を超えるようになりました。
大体の曜日で定員いっぱいになりつつあったので休業日にしていた日曜日も開けることにしました。
既存の職員はとても協力的で勤務日を増やしてくれたり、代わりに入ってくれたりしてくれましたが、いよいよ職員不足が顕著になってきました。
派遣会社からはひっきりなしに電話やFAXが舞い込んできていましたが、高い費用と人材派遣業界への疑問もあったので利用しませんでした。
となるとハローワーク、カイゴジョブ、新聞折込、タウンワークなどで求人を出してみました。
ぼちぼち応募は来ていましたが一番良い人材を確保する方法は今いる職員からの紹介であることを認識しました。多くの職員が紹介で入ってきてくれたことで職員不足が叫ばれる中なんとか週7日間営業を行うことが出来ました。
良い職場の雰囲気を大事にしていると、職員からの紹介が得られるという意味で職場の雰囲気づくりは重要であることを意識するべきです。
開業から1年半で売上は300万円を超える月が出てくるようにもなりました。
一日ご利用が必要な方も小規模多機能を利用できるようになり、食事介助の方もいなくなり職員の休憩時間の設定もだいぶ楽になりました。
任せることを意識して
2店舗目の経営でしたので最初から次の店舗の展開を考えていました。
売上が安定してきたら次のお店の開業を考えられるようにしておこうということです。
もちろん資金的な問題も重要ですが、お金のことは銀行などを使えればなんとかなることもあります。
しかし、人材についても時間をかけて教育をしておかないといけません。突然店を任せるなんてことはできませんから。
最初から私がやる仕事はケアマネへの営業と行政対応のみに絞り、他の業務は社員に振るようにしました。
当然最初のうちは私も一緒になって担当者会議に出たり、送迎のスケジュールを組んだりと指導しながら覚えさせましたが、翌月からは当人のみでやってもらうようにしていました。
放任主義過ぎないかと思われてしまうかも知れませんが、経営者が何でもやってしまう事業所は経営者がいなくなった後におかしくなってしまう例をいくつも見てきたので、そのようにしました。
お陰ではつね曳舟の売上が立つ頃には私がいなくても業務が回るようになっていたため、3店舗目の開業をスムーズに行うことが出来たのです。
→開業日記はつね立石編に続く
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