デイサービスを長年運営しているので毎月どのような費用が支出されて行くのか頭に入っています。
人件費、家賃、リース料、銀行への返済、ガソリン代、消耗品費、通信費、などで毎月大きな変化なく出ていくことになります。
経営者は売上からこれらの費用を差し引いた利益を毎月想定して事業計画を立てていきます。
しかし、デイサービスは沢山の人が関わり、たくさんの物資を使って運営していますので毎月定期的にかかるもの以外に数年に一度費用のかかるものや突発的な事故によって費用がかかってしまう場合があります。
そのたびに資金繰りに頭を悩ませているようでは正常な経営ができません。ある程度予期できる費用に関しては日頃から積立を行うなど余剰資金を残しておく必要があります。
また、どのような支出があるのか知っておけば対策にもつながると思います。今回はそんな定常外にかかる費用について下記の2つに分けてまとめてみました。
- ある程度長い周期で定期的にかかる費用
- 偶発的にかかる費用
目次
長い周期で定期的にかかる費用
車検(定期メンテナンス)
車検は新車であれば3年後、それ以降は2年おきに受けなければなりません。車検切れの車を運転した場合一発で免停になってしまいますので、絶対に行ってはいけません。
車検は車の大きさや検査項目、検査に伴う修理交換の有無によっても変わって来ますが、軽自動車なら8万円程度、ワゴンであれば15万円程度はかかります。一斉に車検を迎えるとかなり大きな額になりえますので、毎月積み立てておくなど準備をしておきましょう。
また、下記で1年点検やオイルやタイヤの交換などの消耗品の交換に関しても定期的に発生しますので事業計画に取り込んでおきましょう。
賞与
大企業であれば賞与の引当を行って置くことも可能ですが、小さい事業所ではなかなかそうは行きません。
利益がでているのであれば賞与のための引当を前々から行っておかなければなりません。
そうでないと直前に大きな死守となってしまう可能性があります。
税金
これも定期的に発生するものなので計画的に資金をためておきましょう。
特に固定資産税に関しては忘れがちなので注意してください。固定資産税は毎年4月頃に順次請求書が送られて来ます。
歓送迎会や忘年会などの慰労費
大きな額にはならないかもしれませんが、歓送迎会などの慰労費も必ず必要になります。
大きな事業所や多店舗展開をしている場合などは参加者も大人数になりますので大きな支出になるでしょう。
偶発的にかかる費用
事故
事故は主に送迎時に起こる車の事故とデイサービス内で起こるご利用者様の転倒、ご利用者様の所持品の破損などによるものがあります。
車の事故に関しては保険に入っているはずですので、大きな打撃にはならないかもしれません。しかし、5万円までの物損であれば保証されない契約がほとんどです。
また、事故を起こすと3等級ほど下がってしまいますので、後々の保険料を考えれば損害が15万円以下であれば自費で直してしまったほうが良いという計算になります。
ご利用者様にけがをさせてしまったり、所持品を破損してしまったりした場合弁償をしなければなりません。
事業用の損害保険に入ることが義務付けられているでしょうが、車両保険と同様で大きな額でなければ実費で負担をすることになります。
不動産に関わる費用
建物や備品に関しても不具合が発生することがあります。私のデイサービスでもこれまでドアの鍵が壊れてしまったり、天井から水漏れが発生したりと様々な不具合が起こりました。
基本的に建物の躯体に関わる部分は家主負担で解決される可能性があるので不動産屋を通して確認してもらいましょう。
職員の退職に伴う採用費
突然の職員の退職も大きな支出に繋がる可能性があります。数ヶ月前から準備が可能であればハローワークや低予算の媒体を使って採用を行うことができるかもしれませんが突然退職されてしまった場合、派遣や紹介を依頼する必要があります。
派遣の時給は通常に倍程度、紹介で雇うとなると想定年収の25%と大きな費用がかかります。
車や機械類の修理(買い替え)
送迎車を毎日数十キロ走らせていると必ず不具合が出てきます。不具合の箇所によっては台車が必要であったりしばらく使用することが不可能な場合もあります。
また、金額に関しても買い替えたほうが良いくらいの費用がかかるような場合もあります。その場合は買い替えを考えることも必要になります。
定期的なメンテナンスを行うなど不具合が出ないように気をつけましょう。
また、機械式浴槽なども不具合が出やすいです。定期的なメンテナンスや修理に関しても一定期間無償で行ってもらう契約ができると安心です。
それ以外にもパソコンや通信機器などの故障も考えられます。
返戻
介護報酬の返戻は請求のミス等によって起こります。場合によっては大きな額になる可能性もありますし、ソフトの操作を誤ってまる一か月分返戻になるようなこともあります。当然二月以降に再請求が可能ですが、資金繰りの面から言うと大きな打撃を受ける可能性があります。
また、実地指導などが行われた際に書類などの不備によって返戻を受ける可能性もあります。
これら以外にもデイサービス経営には思っても見なかった費用が発生することがあります。
何が起こってもいいように必ず1ヶ月分の運転資金は余分に確保しておきたいものです。