ご利用者様の機能訓練計画を作る際、ADL(日常生活活動)能力の向上や維持が目標となります。
例えば家の中を歩いて暮らせるようになりたい。自分で洗濯物を干せるようになりたい。などです。
目標自体は生活に直結した言葉にしたほうがご利用者様自身もわかりやすいでしょう。
しかし、実際ADLの向上のために行うのは筋力トレーニングや可動域訓練であり、それらによって歩行距離がが伸びたり、肩の関節可動域が広がることによって目標は達成されるのです。
ですから機能訓練計画を立てる前に筋力や可動域などの基礎体力テストが必要になります。
基本的な筋力やバランス能力をみて、生活していく上でどのような行動についてこまっているのか、どのようなことまでできるようになるかを見ていきます。
統一的な体力テストのチェックシートを作っておくと便利です。
3ヶ月くらいおきに再度テストし、訓練の効果を図っていきます。
下記は私のデイサービスで行っている体力テストの項目です。
入浴専門のデイサービスですので、機能訓練についても入浴に関わるものがいいと考えています。
ですから、入浴時の着替えや整容、浴槽の跨ぎなどの行動に関連しそうな動きについてテストを行っています。
膝上げ
たった状態から片足をどこまであげられるか見ます。
太ももを平行にあげられる方は何時間上げてられるかを測ります。
入浴の際の跨ぎを意識したテストです。
5メートル歩行
杖歩行、手引、シルバーカー、様々な方法を使ってもらい、5メートル歩いていただき、どのような歩行まで可能かを確認します。
自立歩行で5メートルを優に超える方の場合、長い距離を歩き、何メートル歩けたかやどのくらいで息切れが出て来たかをチェックします。
使った道具、スムーズに歩けたかを3段階(自立、もたつき、転倒注意)で評価します。
片足立ち
目を開けたまま片足でどのくらい立ってられるか測ります。
両足ともにやっていきます。麻痺のある方は麻痺のない方だけで構いません。
バランス能力を見ます。
腕上げ
腕を前から上げる、横から上げる、後ろから上げてもらい
何度くらいまで上げられるかチェックします。
握力
握力計を使って握力を把握します。
握力は生活の中で様々な行動に使う重要な力です。
着替え
一人でたった状態から上着を取ることができるか、
スボンを脱ぐことができるかをチェクします。
テストを行う際は施設で用意した少しきつめの服を使います。
その他にもご利用者様個々の目標達成のための体力テストを行いましょう。
その結果は必ず数値化して表やグラフにしてご利用者様やご家族、ケアマネにわかりやすいように機能訓練計画書に記載します。
ご利用者様に自身の成長を感じてもらい、意欲につながるように有効活用してください。
【デイサービスの基本業務はこちらから】